- 2017年08月17日 09:57
ヒアリに何度も刺された男・平坂寛氏に聞く 危険な生物との付き合い方
2/2◇親も生き物に対する知識を増やして

土屋:夏休みなので親も子供と接する時間が増えていると思いますが、なんでも触りたがる子供につい「止めなさい」と言ってしまうことも多いです。
平坂:その生き物に毒があるかどうか、親御さんにも最低限の知識を持っていてほしいです。それは難しいことではありません。
人間は食べられる・食べられない、刺してくる、そういうことに関してはものすごく敏感に判断して記録に残す種族です。例えばフグや毒ヘビのように本当にヤバい生物はちゃんと広く周知されていますよね。それでも万一、見たことのない生き物に出会ったら、まずネットや図鑑で調べてみましょう。むやみやたらに怖がる必要はありません。
土屋:僕は寄生虫にビビってしまうんです。あとナメクジの液体には触ってはいけないんじゃないかと。
平坂:ナメクジやカタツムリは広東住血線虫っていう寄生虫を宿していて、確率は低いですが、触った手でおやつを食べて感染する可能性がないとは言えません。
だからといって危ないから触っちゃダメといって遠ざけるのも、教育にとってはどうかと思います。触る時は素手で触らないようにして、もしくは木の上に乗っけて可愛がる。遊んだあとは必ず手洗いなさいと、そういう言い方をするといいんじゃないかと。
海の場合だと、「河口や干潟には毒針を持ったエイがいる!危ないから近づくな!」と教える人もいます。でもそうではなくて「見つけたら離れたところから見なさい」とか「こんな家の近くに毒を持ったドラクエのモンスターみたいな生き物が現実にいるってすごいよな!」って、ポジティブなスタンスで子供と一緒に観察してほしい。そういう教育を推していきたいんです。
土屋:山で注意すべきは?
平坂:蜂はおっかない。それから蛇で気をつけるべきは2種類、ヤマカガシとマムシ。本州にはこの2種類しか毒を持っているものはいません。
ハブの仲間は南西諸島にだけに生息しています。蛇なら何でも危ないから近づくなというのではなく、派手な柄の蛇が2種類いる。こっちがヤマカガシでこっちはマムシ。このいかにもヤバそうな模様をしているのだけは覚えておけと。ほかの蛇も噛むけど死にはしないから遊んでいいぞって、僕はそういう風に教育を受けました。
土屋:それくらいでいいなら、普通の家族でも対応できそうですね。うちの嫁がこの間、昭和記念公園でバッタとカマキリを捕まえてきて、一緒にコオロギも虫かごに入れていたら、すぐにコオロギが食べられてしまいました。殺戮シーンを見せつけられて、あんなに緊張感のある時間はなかったかも。
平坂:そういう惨事が起こるのも経験を通して知るべきだと思うんです。子供がうっかり虫をつぶしてしまったことを過剰にとがめる親御さんを見かけますが、それはかえってよくないんじゃないかと思うんです。
命の大切さを知る上では、そうやってうっかり傷つけてしまうというのも貴重な経験です。「優しく扱わないといけないよ」と教えるきっかけになります。殺して食べている僕が言うのも何なんですけど…。
◇決して僕のマネはしないでください

土屋:それも、先々の為には平坂さんの行為も必要なことです。でも、本を読んでいるとマネしたくもなります。
平坂:常々「僕のマネはしないでください」とお伝えしています。獲って食べるのもいい経験なので、それ自体はいいことなんですけど、どうせなら美味しいものをお子さんと一緒に食べた方がいいと思います。例えば、この夏休みはお子さんと一緒に港でアジを釣ったり、東京だと隅田川でハゼを釣ったり。入口は安全で簡単なものがいいでしょう。
土屋:現時点で、出会いたい生き物にどれくらい遭遇できましたか?
平坂:2%くらいですかね。一生かけても回りきれないと思います。だから「もう死んでもいい」という瞬間が、僕にはずーっとやってこないのかもしれません。
土屋:ご結婚は?
平坂:「危ないのはやめて」って言われて、そういうのが面倒だから別れるというのを繰り返してきているので、「あなたひとりの命じゃないのよ」と言われるようなターゲットを捕り、食べ終えてからかだと思ってます。直近はキングコブラ!
土屋:当分、無理ですね!最後に子供たちに、この夏休みはどう自然と触れ合っていけばいいのか、アドバイスを頂けますか?
平坂:リアルポケモン図鑑を作ってみてはどうでしょうか。名前も知らないような生き物がその辺りの植え込みにいるはずです。出会った生き物をスケッチしたり写真に撮ったり見つけた場所を記録してコレクションすると、それがそのまま夏休みの自由研究にもなります。何よりこの世の中にこれだけ生き物があふれているんだっていうことを実際に触れて学べるかなと思うんです。
土屋:平坂さんもそういう心持ちで世界の珍獣をたくさん捕まえて食べているんですね。これからも体には十分気をつけて。特に泣きっ面にヒアリには気を付けて!
プロフィール
土屋礼央
・ TTREアルバム「ブラーリ」
・土屋礼央 オフィシャルブログ
・Twitter - 土屋礼央 @reo_tsuchiya
平坂 寛 (ひらさか ひろし)

個人サイト:Monsters Pro Shop
Twitter:@hirahiroro
Instagram:hiroshi_hirasaka




