- 2011年01月26日 18:10
「有料課金の影響はわずか」とジャーナリズム・オンラインによる報告
1/3有料化による閲覧者の低下の影響が恐れられていたことは、
一時期、欧米で「Pay Wall(有料の壁)」と表現されていたことでもわかる。
これについては、このブログでも触れている。
先駆け的に有料化を行ったアメリカの新聞社サイト『ニューズ・デイ』について。
『Newsday.com』の事例を見てみる。ニールセンの調査データによると、ユニーク・ユーザー数が無料期間の10月に210万人であったのが、有料化に踏み切った11月には170万人と21%の減少にとどまった
(元記事はこちら)
さらに。
有料会員数がどれくらい増えたかということについて、驚くことに。
有料化のためにサイトの再デザインに400万ドル(約4憶円)かけたのに、3カ月で新規有料読者は35人だったという。ネタ元はThe New York Observer。
The New York Observerによると、ニューヨークのロングアイランドの地元紙のNewsdayは10月下旬にウェブサイトを有料化し、週5ドル、もしくは年260 ドルの購読料を支払う会員にしかアクセスできないようにした。これまでに約9000ドルの売り上げを達成したのだとか。もちろん紙の読者は無料でアクセスできるらしいけど、それにしても少な過ぎないか。
「サイト有料化の影響は大きい」
そう思っていたyuichi0613ですが、どうやら違っていたとする意見が。
ジャーナリズム・オンライン(以下、JO)によるものです。
共同の1月19日付け記事 有料化でウェブ読者減は最大7% 米紙の代行企業 - 47NEWS
(※元記事の翻訳なので全文を引用、もし問題があれば指摘を。)
新聞社ウェブサイトのニュース有料化を支援し料金徴収を代行する米企業ジャーナリズム・オンラインは、同社と提携する各新聞社のウェブサイトについて、有料化後の利用者の減少率が最大で7%にとどまったことを明らかにした。米紙ニューヨーク・タイムズが18日報じた。同紙は、有料化先行紙で激減例があることを念頭に「(有料化の影響は)軽微」とした。
ジャーナリズム・オンラインが昨年開始したサービスに参加している約20紙の数字をまとめた。読者数の減少に比べ、延べ閲覧回数の減少はばらつきが大きく0~20%。一方、広告収入に影響はなかった。
さて。
NYTの元の記事はこちら。
Journalism Online Examines Pay Model - NYTimes.com
もちろん共同の記事は短すぎ。
NYTが対象メディアが20紙程度と、かなり少ないことなどを挙げて、注意を促しているのに比べて、共同の記事はJOの主張のみを紹介しているからだ。
NYTはこう記事に書いている。
L. Gordon Crovitz, a former Wall Street Journal publisher who is helping run the project, said one lesson to be taken from the numbers so far is that readers were willing to pay for some, but not all, content online. Consumers “will pay for the few news brands they really rely on, if they use them a lot,” he said.
意訳*1すると、
「このプロジェクトにも関わったクロビッツ氏は、オンライン・コンテンツにおカネを払おうと言う現在の消費者の数について、ひとつの教訓を得た。
それは、消費者は『たとえ、多くのニュースサイトを使っていたとしても、本当に信頼を置いているニュース・ブランドにしかお金を払わない』ということだ。」
※追記1.27 この和訳については、@whimsical_bon さんからのご指摘で、①the numbersの対象、②if they use them a lotのif節の二箇所を修正する予定です。
私は、この言葉に説得力のほうを感じてしまう。
なお、余談としてこのあと、NYTの記事は本紙の有料化にも触れるのだが、他のマイコミの記事によると、課金システムや月額課金代についてかなり慎重に設定を詰めているらしい(参考)。
(この話題はまた稿を改めてまとめたい。)
- yuichi0613
- 日本とアメリカの新聞業界、世論調査に関心をもつ。



