- 2017年08月09日 10:58
地方分権の難しさ(県費負担教員給与の移譲)
2/2 実は県よりも地域手当が低い政令指定都市は、全国的に見て北九州市と堺市だけです。例えば、神奈川県ですと、横浜市、川崎市が16%、相模原市が12%で、神奈川県が11.5%です。お隣の福岡市も県よりは地域手当が高いです。なので、極めて限られた自治体のみの事情なので、そこまで大きなムーブメントを作る事が難しい問題でした。
東京で誰と話しても、関心を持ってもらえませんでした。そもそも、政令指定都市固有の話は、関心を持つ議員の数が限られる上に、政令指定都市選出議員と話してもよく知らない方が多かったです(私が質問した時の総務大臣政務官は政令指定都市選出でしたが、同政務官ですら何の関心も持っていませんでした。)。
となると、地方分権を進めた結果として、論理的には、小中学校の先生の給与が(地域手当の差分だけ)増える政令指定都市が大多数である一方で、減ってしまう政令指定都市が2つ(北九州市と堺市)という事になります。
考え方として、①北九州市で払うのだから北九州市地域手当に合わせるべき(給与減)、②これまでの処遇を下げずに県地域手当を継続(教員以外の公務員より厚遇)、③その中間、この3つのバラエティになります。他の自治体もそれなりにこの件は苦労しているようでして、堺市は(大阪府の地域手当より低い)地域手当を適用しつつ、教員の本給を少し上げたそうです。逆に横浜市などは、当初、「地域手当は神奈川県並みで据え置けないか(16-11.5で4.5%分の節約)」と当初考えたそうです。結果、地域手当は横浜市の他の公務員と同様の水準に上げつつ、本給を下げたと聞いています。我が北九州市は経過措置を講じつつも、何とか本件に対応しようとしています。
この地方分権を進めたら、給与が増える自治体、給与が減る自治体が出るという事実を見て、地方分権というのはなかなか難しい、とつくづく感じました。実務に降りていけばいくほど、地方自治は人の顔が見えてきて難しいと、東京で跋扈するチープな地方分権礼賛論との差を見て取りました。
なお、最後に余談を一つ。この移譲に関し、私が国会質疑をした中で判明した事がありました。これまで福岡県に配分されていた教員枠を、県の判断で北九州市相当分から32名、福岡市相当分から47名召し上げて、それを他地域に加配していたことが明らかになりました。これまではすべて県が一括で差配していたので、県の教育政策の中で特定の地域に加配する事が悪いとは全く思いません。むしろ、良い事だと思います。ただ、政令市側に何の説明もなく、これまでそういう事をやっていた点については不信感の原因になります。とても違和感を持ちました。
技術的な内容で、かつ地元色の強い内容ですが、地方分権の本質的な部分をえぐる内容だと思います。本件をしつこく追った政令指定都市選出議員は私だけです。今後もこういうテーマはしっかり探して取り上げていきたいところです。



