- 2017年08月08日 14:37
働き方改革は「休み方改革」だ。労働時間を減らすより、個人が休みを実感できる方が大事──星野佳路×青野慶久
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「残業代がなくなるのは困る」「自由な時間が増えても特にしたいことがない」
「働き方改革」で残業削減が声高に叫ばれる昨今。働く時間が減り、プライベートはより充実し、みんながハッピーになるはず……が、どうも肯定的な意見ばかりではないようです。
なぜ「働き方改革」はこんなにもネガティブにとらえられているのか。「働き方改革」はもっと楽しく進められないのか。そんな問いについて、星野リゾート代表の星野佳路さんとサイボウズ代表取締役社長の青野慶久が語り合いました。
労働時間を減らすことより「休んだ実感」を持てる日を増やすことが大切
今日の対談のテーマは「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう?」です。
いいテーマですね。
今の「働き方改革」の流れは、「とにかく残業を減らせ」。しかし働く人々は、必ずしもそれを歓迎していない。やり方が画一的で楽しめていない人が多い印象です。星野さんはどうお考えですか?
たぶん根本的なやり方が間違っていると思うんですよ。わたしは「働き方改革」よりも「休み方改革」のほうが大事だと考えています。
「休み方改革」ですか。
はい。今は「労働時間を減らす」ことがテーマになっていますが、それよりも休みをちゃんと“実感”することのほうが大事だと思うんです。「自分は今日、しっかり休んだ、ゆっくりしたな」と。具体的には、休みをもっと分散して取らないといけない。この「分散」が、とても大事なキーワードです。
星野佳路(ほしの・よしはる)さん。星野リゾート代表。1960年、長野県軽井沢生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、アメリカのコーネル大学ホテル経営大学院修士課程へ。1991年に先代より会社を引き継ぎ、星野温泉(現在の星野リゾート)社長に就任。国内外30以上のリゾートや旅館を運営し、2016年に「星のや東京」、2017年には「星のやバリ」を開業。
どういうことでしょうか。
今は祝日が決まっていて、休みの日がみんないっしょでしょう。人気の場所に行こうとすると混んでいて、遠くに移動しようとすると道が渋滞していたり、そもそも予約でいっぱいだったりしますよね。
ゴールデンウィークやシルバーウィーク、お盆、年末年始ですよね。宿泊施設の料金や交通費も高くなってしまう。
そう。休みは4日あるけど旅費が高いから2日しか旅行に行けないとか、渋滞にはまって何時間もクルマの中にいたとか、空港で長い列に並ぶとか、休みを存分に満喫できていないんですよ。
確かに、みんなでいっせいに休むのをやめれば解決しますよね。
分散したほうが、安くて空いているわけですから満足度も高くなるでしょう。「ちゃんと休んでいる」実感が持ちやすい。やみくもに休みの日数を増やすよりも、休んだ実感を持てる日を増やすことのほうがよっぽど大切だと考えています。



