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- 2011年11月11日 11:43
決断迫られるTPP--トコトン議論2で有識者が激論
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田原総一朗氏をモデレータに迎え、7名の有識者による熱い議論が展開された。 写真一覧
TPPの争点は経済自由化による国内農業への打撃から、欧米式の知財法の導入まで多岐にわたる。そこでグロービス経営大学院学長の堀義人氏が、田原総一朗氏、池田信夫氏、松原聡氏、福井健策氏といった論客を招き、賛否双方の立場からTPPの是非を論じ合う場を設けた。今夏に3時間以上にわたって堀氏と孫正義氏がエネルギー問題について激論を交わした「トコトン議論」の第2弾である。登壇者は以下のとおり。
モデレータ
田原総一朗氏(ジャーナリスト)
TPP支持派
松原聡氏(東洋大学経済学部教授)
池田信夫氏(経済学者)
TPP慎重派
服部信司氏(日本農業研究所 客員研究員)
孫崎享氏(元・外務省国際情報局長)
色平哲郎氏(佐久総合病院・内科医)
福井健策氏(弁護士・ニューヨーク州弁護士、日本大学藝術学部 客員教授)
推進派の主張--コメが安くなればハッピーじゃないか
池田信夫氏:まず私はTPP推進派ではない。基本的に勘違いしている議論が多いが、よく出てくるのは「TPPでは輸出が増えない」という意見。自由貿易は輸出を増やすためにあるのではない。関税を下げても輸出が増えないのは、その通り。だが輸入は増える。農産物の関税がゼロになって、輸入が増えるのは良いことだ。
「経常黒字が増えるのは良いこと、輸入が増えるのは悪いこと」という考えは間違っている。コメにかかっている関税がなくなったら、明らかに皆さんの生活が良くなる。値段が3分の1になるからだ。それだけでTPPの意義はある。何が起こるかわからないが、1つはっきりしていることは、関税が下がるということ。これは条件抜きで良いことである。原則として、関税が下がって物価が下がるのは良いことだ。300年前から証明されている。
松原聡氏:私の立場を申し上げると、第二次世界大戦以来のブレトンウッズ体制の推進が大事だと思っている。だがTPPは筋が悪い。小さな国が多いところに米国が入ってきた。たとえばブルネイと米国では国の規模が違いすぎて、議論が錯綜してしまう。私は自由貿易推進派だが、TPPは筋が悪いと思っている。
自由貿易のFTA/EPAは進めるべき。でもTPPは筋が悪いので議論が必要。ただしそこに参加して、米国の陰謀(笑)に負けることなく、しっかり国益を主張することは可能だと思う。前原さんが言っていたが、入ってダメだったら出ればいいという考えもある。
(衆院議員の)逢坂誠二さんが次のようにツイートしていた。
「TPPに関する議論が沸騰しています。私は交渉参加に反対。TPPは外交問題のように思われていますが、まずは国内問題であるとの認識が必要。日本の医療、農業、工業、社会保障、司法、地方など、日本がどんな国であるべきかのしっかりした考えを持たずに、交渉も何もあり得ません。この整理が必要。」
これはおかしい。与党なんだから。医療、農業、工業、社会保障がそういった考えを持ってないのがひどい。いま慌てて議論するような内容ではない。
農業は関税で守られている。奄美のサトウキビを例にだすと、経過措置は必要。でも未来永劫守らなければならないのだろうか。たとえば石炭産業を守ったか。最終的には潰れた。赤池や夕張は潰れた。いろいろな産業構造の変化がある。奄美のサトウキビを未来永劫守ることが日本の国益なのかと問題提起したい。



