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- 2011年11月09日 11:54
“異色”のタッグで電子書籍に参入 ニコニコ動画が角川グループと連携

トークセッションで談笑するドワンゴの川上量生会長(左)と角川HDの角川歴彦会長 写真一覧
同日のサービス開始に伴い、角川グループの電子書籍である「BOOK☆WALKER」との連携も始まった。「BOOK☆WALKER」で購入した作品のうちいくつかは、「ニコニコ静画(電子書籍)」で読めるようになる。連携記念として、ヤマザキマリの人気漫画「テルマエ・ロマニエ」1巻などが無料配信されている。さらに角川書店は無料漫画誌「角川ニコニコエース」を創刊。「ニコニコ静画(電子書籍)」で毎週火曜日に更新されるという。
ドワンゴと角川グループは昨年10月に業務提携して以降、ニコニコ動画に向けた独自コンテンツの開発に力を入れてきた。株式会社角川コンテンツゲートの安本洋一取締役は「角川グループはニコニコ動画では多くのアニメ作品を提供している。非常にユーザーの評価も高いので面白い連携が出来るのではと思っている。ニコニコのユーザーに(コメント欄で)どんどん突っ込んで欲しい」と意気込みを示した。【写真・文:安藤健二(BLOGOS編集部)】
ドワンゴ会長「コメントがコンテンツになる時代に」
第二部のトークセッションでは、ドワンゴの川上量生会長と角川グループホールディングスの角川歴彦会長が顔を合わせた。片やITベンチャー、片や日本有数の大手出版社という異色の組み合わせ。ジャーナリストの津田大介氏の司会で、電子書籍の未来について論じ合った。
川上会長:ニコニコ動画で生放送をやる場合、人気番組だとコメントが10万くらい付くんですよ。これがツイッターでは数千から一万。多すぎてとても読めないし、検索が追いつかない。今後、こういうことが増えていく。ツイッターやフェイスブックなどコメントする場所が増えていくけど、そのコンテンツについての感想を求めようとすると「オープンなプラットフォームでは得られない」という事態が出てきます。でも、「コメントを楽しむ」「コメントへの感想」というのも欲しいじゃないですか。コンテンツホルダーが、コンテンツと一緒にコメントを保存するという形態が、やっぱり、“未来のコンテンツ”になると思っています。
ニコニコ動画を例に取ると、コンテンツは引用されればされるほど、引用された瞬間に新しい情報になるんですよ。流行り廃りは激しいはずだけど、(音楽ソフトの)初音ミクや(同人ゲームの)東方シリーズは未だにブームが続いているし、終わる気配がない!なぜかというと、二次創作の連鎖が拡散しているからなんですね。ネット時代ではコンテンツの寿命は短くなる方向でしか機能してないんだけど、唯一、コンテンツの寿命を長く伸ばすのは二次創作なんですよ。二次創作は原作改変だけじゃなくて、コメントを付けるという行動も含むんですよ。それをコンテンツ自身にもっと取り込むことで、コンテンツの寿命は長くなるし、コンテンツの価値も上がると思います。
角川会長「もう一度さわれるようにしていい」
この川上会長の発言を受けて、角川会長も二次創作の重要性について以下のように話した。
角川会長:作家の原作が「改変されない」っていうのは、人類の歴史でもここ100年〜200年の物なんですね。もともと口承文学で有名な「平家物語」って、琵琶法師が弾き語りしていたのが発祥ですが、聞き手から「これはこうじゃないの?」みたいな意見が出ると、それを取り入れていたんですよ。ですから、義経が東北地方に落ち延びる際には、実際には通ってないところも寄るようになってしまう。そういう風にして出来たのが、日本の古典であり、世界の古典なんですよ。原作を「さわっちゃいけない」というのはここ100年くらいの話なんですよ。
インターネットが生まれて(自由に)改変ができるハードも生まれてきたわけですから、そこをもう一度、さわれるようにしてもいいんじゃないか。それは決して作家のクリエイティブ性やリスペクトを落とすものではないと、私は思っています。



