
ダライ・ラマ14世 撮影:野原誠治 写真一覧
午前10時から開催予定だったが、予定をオーバーして午前11時過ぎから始まった。大勢の記者団に囲まれる中で「私にも人権がありますので、フラッシュをあまり強く焚くのはやめてもらえませんか?」とジョークを飛ばす場面もあった。76歳とは思えない張りのある声で以下のように話した。
ダライ・ラマの言葉
訪日の目的について申し上げます。高野山における法話も行いましたし、地震にあった被災地も訪問しました。被災者と私の考えも共有させていただき、今こそ町を建て直し復興していくべきではないかという話をしました。
こうしてメディアの方にお目にかかる上では、2つの点について話しています。ヒューマン・バリュー、人間の価値についてです。責任を持つ、他の方を思いやるという気持ちです。私達が謙遜の心を持ち慈悲の心を持つことが重要だと思っております。これは宗教的なことだけではなく、私達が生まれたときに倫理というのはある物だと思っています。
メディアの方々は民主主義の社会に置いて重要な役割を持っています。皆さんはゾウのように長い鼻を持って匂いをかいでください。現実がどういう物なのかをきちんと認識して、社会の腐敗をなくしていくために活動されることが重要だと思っています。
以前、私はチベットにおける困難に対して様々な責任を負っておりました。しかし、今年5月には政治的な立場を選挙で選ばれた人に譲りました。ダライ・ラマは1〜4世は政治的立場はなく、宗教的立場と政治的立場を兼ね備えたのは5世以降でした。そして、14世の私は喜んで政治的立場を降りることにしました。真の民主主義を進めていける体制にしていきたいと思っています。
記者団からの質問
―中国のチベット族自治州で尼僧が焼身自殺しました。中国政府のチベット政策についてどう考えますか?またそれに対して非暴力で対処すべきでしょうか?
非暴力についてですが、チベットに住む人には「常に非暴力であれ」と私は言っています。そして、中国共産党はチベットを占拠しています。「いや、解放したんだ!」と主張する人もいますが、それは是非とも調査していただきたいと思ってます。
我々はチベット語という言葉も独自の文化も持っています。それの自治権を持ちたいという風に思っています。
皆さん自身がチベットに行って、現実を見て頂くしかない。私が何を言っても中国に対してはあまり意味のないことです。「私は日本人です」と書いて、入国するといいでしょう。中国は全体主義ですから本当のことを言うことができない。政府の人も上司に真実を報告できない。そういう意味では中国はヒポクラシー(偽善)の聖地ですから。




