- 2017年08月02日 08:57
【読書感想】ネットは基本、クソメディア
1/2
- 作者: 中川淳一郎
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/07/10
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る
Kindle版もあります。

- 作者: 中川淳一郎
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2017/07/10
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
内容(「BOOK」データベースより)
WELQに端を発するキュレーションサイトの問題をDeNA報告書と10年以上のネット編集の実体験から解説。もはや「マスメディア」となった2017年におけるネットの現実を示した上で、身を守る術を紹介する。
中川淳一郎さんの『ウェブはバカと暇人のもの』が上梓されたのが、2009年。
もう8年も経ったのか、まだ8年しか経っていないのか。
この新書では、日頃ネットを使っていて苛立つことが網羅されていて、何度も「そうそう」と頷いてしまいました。
ネットにはさまざまな検索サイトがあるのですが、僕がいちばん利用しているのはGoogleです。
検索結果については、他の検索サイトよりも一日の長くらいはあると感じているのです。
でも、Googleで検索上位に表示されるサイトをみて、「何これ?」と思ったことはありませんか?
中川さんは、2017年5月22日に広島市内で逮捕された「渋谷暴動事件(1971年)」の大坂正明容疑者の逮捕直後の検索結果について紹介しています。
逮捕報道から6時間、グーグル検索で「大坂正明」と入れると、トップに来るのはウィキペディア、続いてこの件を報じた産経新聞の記事が来る。
私がこの文章を書いているのは23日朝5時だが、産経の記事は「5時間前」だ。3番目には第一報であろうNHKで「6時間前」となっている。そして、ここから「勝手サイト」が三つ続く。(中略)
学生運動をしていた中核派となれば、当然どこの大学かが気になるわけだが、この三つ目のサイトは見出しにその要素を入れてきた。だが、中身を見ると力が抜ける。
大坂正明容疑者の出身大学は一体どこだったのでしょうか?
大坂正明と検索をかけるとまっさきに【大学】という検索ワードが出てくるので気になっている人も多いんだと思います。大坂正明容疑者の出身大学について調べてみたんですが、信憑性のある情報は一切出てきませんでした。出身が北海道ということもあるので地元の大学を出ているという可能性も高いですね。中核派のメンバーの一人なので、そこで活躍していたのは東京に出て来てからだと言われています。 (本にはこのサイトのURIも掲載されているのですが割愛)あのよ、「一切出て来ませんでした」って、「一切」とまで言えるの? 「出身が北海道ということもあるので地元の大学を出ている可能性も高いですね」って、何が根拠よ。当時大坂は学生で、渋谷の暴動に参加しているわけで、北海道からわざわざ来たとでも言いたいのか?
私も大坂の出身大学は知らないため(千葉県内の大学という報道はあった)、これ以上は言わない。「地元の大学を出ている可能性も高いですね」と同様に「〇〇大学の学生だった可能性も高いですね♪」なんて恐ろしくて公の場で書くわけにはいかない。
こうした記事が上位を席巻するというのは、もはやグーグルがクソサイトに完全敗北したようなものである。「そこそこ有名な芸能人」「健康情報」「美容情報」「犯罪者」を検索すると、こうしたサイトが上位に並ぶようになったため、ニュース以上の情報を得るためには、グーグルの2ページ目以降に行かなくてはいけなくなってしまったのだ。
こういうこと、あるあるー!
世界最高の頭脳集団であるはずのグーグル、もうちょっとしっかりしてくれよ……と言いたくなります。
こういうサイトを強引に上位に表示するのが「SEO対策」というのなら、それはネット利用者に対する嫌がらせでしかありません。
「大坂正明容疑者の出身大学は一体どこだったのでしょうか?」
それを知りたくてクリックしたんだよ!
検索上位にこんなサイトがかなり多いことに、愕然としてしまうのです。
(ちなみに中川さんは、著作権も肖像権も無視した「とにかく人々の興味を持ちそうなネタを網羅し、検索上位に表示させよう」といった意図を持ったサイト群を「勝手サイト」と総称しています)
「〇〇(有名人の名前) 結婚」とかで検索してみると、「〇〇さんは結婚しているのでしょうか?ネットで検索してみましたが、信憑性のある情報は出てきませんでした。でも、美人でモテそうですから、もう結婚していてもおかしくはありませんね」とかいうのが、検索上位にずらっと並んでいるのです。
こういうのをたて続けにみせられると、パソコンを壁に投げつけたくなります。
Googleさんも有益なサイトを上位表示するように、改善を続けているようなのですが、そのアルゴリズムの隙をついて、「勝手サイト」は繁殖していきます。
ネットの広告で、個人でもお金が稼げるようになってから、こういうのが、本当に増えてきた。
ちょっとマイナーなキーワードで、ネットを頼るとこういう目に遭いまくるのです。
こんなふうに、いかがわしいというか、魑魅魍魎が跋扈するネットメディアなのですが、その一方で、その影響力はどんどん強まってきています。
これまでは、ネットを格下のように扱ってきたマスメディアも変わってきています。



