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“ミッション・インポッシブル”ホワイトハウス首席補佐官の前途多難 - 佐々木伸 (星槎大学客員教授)

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 しかし、半年を経て、ホワイトハウスの権力構図も変わった。現在の派閥は大きく言って5つ。1つはクシュナー氏やその妻でトランプ氏の長女イバンカ顧問といったトランプ一族だ。2つ目はニューヨーク・ウォール街出身の企業家中心のグループ。ここにはコーン国家経済会議委員長、ロス商務長官らがいる。

 3つ目は選挙戦からのトランプ氏の側近グループ。バノン首席戦略官やミラー顧問らだ。4つ目は共和党の主流派に属する一派。ペンス副大統領や更迭されたプリーバス氏、スパイサー前報道官らだ。そして最後は政争から一歩引いて構える将軍一派。目立つことを避けているのが特徴で、ケリー新首席補佐官、マティス国防長官、マクマスター国家安全保障担当補佐官らである。

一族のアクセスを黙認するのがカギ

 ケリー氏は国家安全保障長官として、厳しい不法移民対策やイスラム諸国からの入国禁止などトランプ大統領の政策を強く支持し、大統領からの信頼を勝ち得た。またホワイトハウスの各派閥とも対立せずにうまく立ち回ってきた。

 しかし、首席補佐官という立場はこれまでとは全く違う。5つの派閥の中で、トランプ氏に最も影響力を持っているのはクシュナー、イバンカ夫妻を中心とする一族グループだ。「彼らに嫌われれば、明日はない。指揮系統の一元化を確保しつつ、トランプ一族の大統領への直接的なアクセスには目をつぶる」(アナリスト)ということがケリー氏の成功のカギだろう。

 しかし、政権の混乱はケリー氏の首席補佐官就任でもすぐには収まりそうにない。ロシア・ゲートをめぐり、セッションズ司法長官の解任問題がくすぶり、国務省の人事に難癖を付けられ続けているティラーソン国務長官も早期辞任を検討していると伝えられるなど、今後も山あり谷ありだ。

 歴代の首席補佐官史「門番」の著者であるクリス・ウイップル氏は「ケリー氏の任務は“ミッション・インポッシブル”」(米紙)とその多難さを予測している。

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