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「メディアには何をやられても、メディアでやり返せばいい。」石川知裕氏と佐藤優氏が緊急対談(前編)

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秘書が見た小沢一郎の裸


佐藤:ところで、小沢さんについてですが、政治家が一番隠したがるのは健康の話です。今回、『悪党』には、その辺りもしっかり書いてあった。小沢さんの裸の姿を何度も見た事があるんですね?

石川:そうですね。書生の時は、風呂上がりを見ますから。都市伝説に『イギリスに行って心臓手術をやった』とか、『小沢の胸には心臓出術の傷がある』なんて言われていましたが、そんな傷はまったくなかった。こうした都市伝説をひとつひとつ正して行くべきです。

佐藤:ただ、心臓病は間違いないんでしょ。

石川:心臓病は持っています。私が事務所に入る前に心筋梗塞をやっているはずです。スーツの左ポケットに、ニトログリセリンが入ってますよね。

佐藤:それから印象に残ったのが、小沢さんと一緒に食事しても、彼は手酌なんですね。『お注ぎします、先生』と言われると、『いや、計ってるから』って。

石川:必ずビールもお銚子も、自分で何本飲んだか分かるように計ってます。私もふたりで飲みに行った場合は、お互いに手酌です。

佐藤:石川さんに教えてもらったんだけれど、小沢さんは医者から3つのうち2つを止めろと言われたんでしょ?

石川:肉とタバコと酒です。心臓病を患った後、酒は人生の楽しみだから止められない。それで、タバコと肉を止めました。でも、節目節目のトンカツは食べてましたが。

佐藤:せっかくこういった機会ですので、Twitterで質問を受け付けます。キツい質問でも、できるだけ逃げませんから、是非送って下さい。双方向性を担保したいと思いますので。

さて、小沢さんの所でお仕えしていた石川さんですが、本の中に面白いエピソードがありました。小沢さんがゴミ箱をあさって、捨てられたレトルトカレーを見つけて来て、『なんで、捨てたんだ!』って叱られる。

石川:あれはビックリしましたね。蓼科の別荘での出来事なんですが、賞味期限が切れていたし、当然ゴミ箱に捨てるでしょう? 一年に1回しか、そこに行かないんですよ。だから棚にあるものを整理して捨てていたら、後からそれを持ち出して、ネチネチ虐めるわけですよ。『確かめれば、食べられるだろう』とね。

佐藤:小沢さんって、ケチなの?

石川:ん〜、ケチと言えば、ケチですけれど。

佐藤:でも、石川さんだって、今回の事件では4億円ものお金が、ズズズッと出てきた訳でしょう? そんな大金が行ったり来たりしている状況で、捨てたカレーを持ち出して来るのか......(笑)。

石川:本にも書きましたけれど、締めるところは締めて、使う所は使えと。

佐藤:カレーに関しては、締める所と認識している訳ですね。

石川:あと言われていたのが、『人とは、実際に会って自分で判断しろ』と。つまり、カレーも自分で味見して確かめるべきだった。このような教訓めいたことを教えたかったんでしょう。でも、まさかゴミ箱から、取り出して来るとは思いもよりませんでしたが(笑)。

佐藤:ゴミ箱チェックをしてるって事ですよね。猜疑心が相当強いのかな。

石川:そうですね。後藤謙次(共同通信社元記者)さんの本にも、猜疑心の事が書かれていました。例えば、メール事件(2006年の堀江メール事件)がありましたよね。小沢さんだったら、あのような事にはならなかったと思います。二重チェック、三重チェックでその人物を調べていたと、当時も思いましたから。

仙谷由人と小沢一郎


佐藤:前原(誠司)さんは、メール事件を反省していて、以降は状況をチェックするようになったようです。要するに野田(佳彦)さんの所から来たため、情報に文句をつけてしまうと、野田さんとの関係がギクシャクすると、前原さんは考えてしまった。でも、情報分析はそれでは駄目なんですよ。

石川:政治家は、人間関係を大切にしないといけないですから、当然ではあるんですが。小沢さんは修羅場をくぐっているので、他の角度からチェックすることをしますよね。

佐藤:今、小沢さんの一番の天敵といえば仙谷(由人)さんでしょう。

石川:間違いなくそうですね。

佐藤:私はこの本の価値を高めたのは、仙谷評だと思うんですよ。

小沢頼みから脱却しなければならないと、仙谷さんは言っている。我々ひとりひとりの政治家は、自分自身の考え方をまとめ、小沢一郎への依存から脱却し、自らが政策をかかげ、それが日本の指針となるような、または対立軸となるようなものを、作り上げなければならない時期にきている

「悪党」より

おそらく、小沢グループと言われている人たちの中で、仙谷さんの言っていることを『これはフェアだ』なんて言える人はいないと思う。
しかし、そのあとに『一度、小沢一郎に総理大臣をやらせてみたいと思っている国民が多いのも事実である』と続けているけれど。その国民のひとりが、石川さんであるのは間違いない。
今の民主党の混乱について、小沢側にいるひとりの政治家として、そしてバランスの取れた『仙谷観』を持っているひとりとして、どのように見てる?

石川:離党してさらによく見えるようになりました。民主党の中で、小沢さんの考え方そのものを分かっていて、小沢さんを支持している人はあまりいないんです。自分の考えがないから、『力のある小沢さんだろう』と考えて、小沢グループにいる人たちも少なくない。彼らは自分の頭で考えていません。
仙谷さんは民主党の中に何かしら『小沢神話』があると指摘しています。メール事件の後、小沢が出てきて終息させた。政権交代の時も小沢が出てきた。それ以前に新生党を作った時と同じようにです。神話信仰から、脱却しなければならない。
でも一方で、野党時代に安定的な党運営を行なっていたのも小沢さんでした。私は彼に1回首相をやらせてみたいと最後に書いたのは、私の本音です。事実、そのような気持ちを持った人が、ある程度はいるんじゃないかと思っています。

佐藤:そのような若手が増えてくれば、民主党ももう少しまともになると思う。私はこの『悪党』という本が、そのような読まれ方をして欲しいと思っています。つまり、民主党の小沢派の人たちは、小沢さんをもっと突き放して見る。彼がどのような機能を果たしているかと。少なくとも悪党の一味であることを、きちんと認識しなければならない。反小沢派は、とにかく小沢を怖がらずに、小沢と言うのは一体なんなのか、小沢の内在論理を見て欲しい。

石川:結局、親小沢というのは自分で味を確かめないで、ただ『これは美味しいから』って思い込んでいるんです。

佐藤:そんな奴は絶対に後で裏切るから。

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