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【新聞チェック】菅首相「脱原発解散」の可能性 読売新聞が伝える2つのシナリオ

26日の読売新聞4面は特集「首相強気 どこまで粘る」の中で≪ささやかれる「脱原発解散」≫という見出しのコーナーを用意。
解散の可能性を語る発言者があやふやながらも、2つの「脱原発解散」シナリオを提示している。

首相退陣時期すら明確でなく、さらには内閣支持率も低下する中、なぜ「首相は強気」と読売新聞は表現したのか。同紙は、ある”首相に近い議員”が「原発推進の是非を争点に据えれば、原子力政策を推進してきた自民党に勝てる」と強調していると報じる。(BLOGOS編集部・野村)

亀井静香氏が「8月末解散」を示唆?



国民新党の亀井静香代表は22日夜、都内で自民党の山崎拓前副総裁と会談。
時事通信は翌23日に山崎派総会で、山崎拓氏が亀井氏から「8月末に首相が原発、非原発の(是非を問う)国民投票的な解散を断行する可能性がある」と伝えられたことを明かしたと報じている。

26日付の読売新聞ではこの会談の仕掛け人は亀井氏だとした上で、「自民党と民主党の接近を防ぎたい亀井氏が、自民党内で(発言内容を)広めようと謀った」と、その話には懐疑的な見方を伝える。

その一方、自民党・石原幹事長の「解散の可能性はゼロではない(25日・福井市での講演)」との発言を引用した上で、亀井氏の発言が与野党の間で「ある程度の現実味をもって受け止められている」ともしている。

読売が示す2つの「脱原発解散」シナリオ



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上図は読売新聞が2パターン示した菅首相の「脱原発解散」シナリオ。

パターン(1)については、広島・長崎「原爆の日」周辺で解散、民主党に吹く逆風下でも党内反発や民意を一気に味方につける逆転シナリオだろうか。
読売は首相周辺の議員の言葉として以下を伝えている。
「8月6日か9日の『原爆忌』に首相が脱・原発を宣言して解散し、05年の郵政選挙と同じ9月11日の投開票だ」
しかし、このシナリオであれば、9月前半に予定されている民主党政権初の首相訪米が幻となる可能性、そして、財政の要となる特例公債法案が更なる混乱に巻き込まれる可能性が高くなり、実現の可能性はかなり低い。

ただでさえ震災復興財源が重要な局面で、通常の予算すら回せなくなれば、笑いものでは済まないはずだ。

もう1つのパターン(2)については、菅首相の「顔見たくないなら法案通せ」でいきなり飛び出してきた「再生可能エネルギー固定価格買取法案」などの再生可能エネルギー特措法が成立しない場合を見据えた「破れかぶれ解散」だ。

読売では菅首相が特例公債法案や再生可能エネ特措法について
「衆院を通してしまえばいい。審議が遅れても批判が向かうのは野党だ」
と周辺に語ったと報じる。

こうした法案を7月2日までに衆院で通せた場合は、参議院で否決、または60日が経過した場合には社民党や無所属議員などの協力を受けて再可決を目指すことが出来る。

しかし、25日の記者会見で輿石氏も「(再可決という)乱暴なことをすべきではない」と語っており、また、そもそも再可決に不足する12議席以上について、衆院で社民などの支援を受けられる保証もなく、そうなると「脱原発」や「再生エネ特措法」を焦点に会期土壇場での解散に打って出る可能性も、石原幹事長の言葉を借りるわけではないが、「ゼロではない」。

「脱原発解散」可能性は低いながらも



「脱原発解散」の可能性もゼロではないとはいえ、退陣を表明している首相が解散するという行為そのものに党内から反発が上がっており、読売新聞も「実現の可能性は低いという見方が強い」と文を締めている。

しかしながら、26日のフジテレビ「新報道2001」で自民党・石原幹事長は、その「可能性はゼロではない」発言をした上で、「そんなこと(解散・総選挙)をやっている余裕はないし、やったら日本は終わりだ」と語っている。

これは民主党・岡田幹事長の「首相の解散権を今から全否定するわけにはいかない」という発言をけん制したものであるが、自民党としても菅首相の「脱原発解散」に警戒感を持っている可能性がある。

被災地放置の与野党駆け引きも、表からは見えないところも含めて相当に白熱しているようだ。

関連リンク



結局決まらぬ首相退陣 - BLOGOS特集
今国会の会期末当日である22日にギリギリで「70日間の会期延長」が衆議院で可決。決まらない首相の退陣時期に与野党から反発の声。

退陣要求に対抗…ささやかれる「脱原発解散」 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
時事ドットコム:24日にも改造=8月解散も、山崎氏に見通し−国民新・亀井氏
岡田氏:脱原発解散に否定的、首相の会期内退陣にも言及−民放番組 - Bloomberg.co.jp

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