記事

首相経験者がズラリと並んだ超党派議連、「大連立への布石」は事実なのか

山本拓衆議院議員(撮影:BLOGOS編集部 大谷広太)
山本拓衆議院議員(撮影:BLOGOS編集部 大谷広太) 写真一覧
 「菅降ろしや大連立とは関係ありません!」。自民党の衆院議員・山本拓氏はきっぱりと言い切った。「地下原発なら福島の事故は起きなかった」と、原発を地下に建設することのメリットを訴えていた山本氏だが、政局がらみの内容に質問が及ぶと、にこやかな笑顔から一転して険しい表情に。実は彼が事務局長を務める超党派の地下原発議連には、民主党の鳩山氏と羽田氏、自民党からは森氏と安部氏が顧問として参加。与野党に分かれた首相経験者4人の名前がズラリと並んでいるのだ。さらに議連の発足日は、菅首相の不信任案提出直前の5月31日。「原発政策の見直しを進める菅首相を降ろして、原発推進派が大連立するための布石では?」と勘ぐるマスコミ報道もあったが、自由報道協会主催で開かれた14日の記者会見で、山本氏は明確に否定した。【取材・構成:安藤健二(BLOGOS編集部)】

 「陸上ではなく地下に原子炉を設置しよう」という呼びかけで国会議員が集った地下原発議連。正式名称は、地下式原子力発電所政策推進議員連盟で、メンバーは約50人にもなる。会長は「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表だが、顧問が壮観だ。民主党からは鳩山由紀夫前首相、羽田孜・元首相、石井一副代表、渡辺恒三最高顧問。自民党からは谷垣禎一総裁、森喜朗元首相、安部晋三元首相、山本勇二元金融担当相、国民新党の亀井静香代表の計9人となっている。この多くが、菅首相に対して批判的な議員だ。10日付けの東京新聞には、以下のように書かれている。
地下原発議連は、発足のタイミングから、不信任騒動との関連が取り沙汰された。与野党の原発推進派が、原子力政策の見直しに傾斜した菅直人首相を引きずり降ろそうとしたのではないか。「原発推進大連立」の拠点が地下原発議連ではないか……と。
 果たしてこの記事は事実なのか、私は会見で質問をぶつけてみた。

不信任の動きは「たまたま」



―菅首相への不信任案提出直前に結成されたということで、「菅降ろしへの布石ではないか?」という報道もありますが、事実はどうなのでしょうか?
山本拓氏(以下、山本):かなり誤解があるんです。3月11日の事故以来、4月ぐらいに再開しようっていう話になったんです。それで、マスコミの方から『いつ初会合を開くのか?』という問い合わせがありまして、『5月中には一回やりますよ』と言った手前、5月の最終日にセットしたんです。そしたら、たまたま5月末に不信任の動きが出てきたということなんです。そこまで視野に入れて段取りができるほど、私は政治力がありませんので(苦笑)

 だからメンバーが大物がそろっていると言いますが、私は初当選だけは早かったもので、当時関わった人は平沼赳夫さんであれ、渡辺恒三さんであれ、石井一さんであれ、(自民党で)ご縁がある人を全部入れました。自民党を飛び出した人もたくさん入ってるので誤解を招いたようですが、菅降ろしでどうのこうのって話ではありません。もう降ろさなくても降りますわな、あの人は!
 
 ただ、菅さん自身も(地下原発には)関心がありますし、首相補佐官の細野(豪志)君にもよく言ってありますので。ただ、民主党に限らず、「原発って話に対しては批判してないと叩かれる」っていうのが政治家の位置づけなんですよ。私なんかこいうことやってて、ネット上で「何考えてる!」って怒られてますんで(苦笑)。だからこそ、市民権を得るような運動にしていって、工学博士なり専門家を巻き込んで行きたいなと思っています。

―大連立については、いかがでしょうか?
山本:(議連の人達と)日ごろから議論していく中で、大連立の話が出ることもありますが、それはたまたまですね。次の民主党のリーダーの考え方次第なんで、我々(自民党の側)から大連立を仕掛けるということはないです。だって、菅さんのまま次の選挙に突入するのが、最高に有難い話ですからですね(笑)

 地下原発議連と菅降ろしの動きがカチあったのは飽くまでも「偶然の一致」と笑い飛ばした山本氏。しかし、錚々たる参加メンバーたちが、何かの弾みで大きな政界の動きに発展することもあり得るのではないか。地下原発議連の今後の動きに、目が離せなくなりそうだ。

山本拓議員の関連記事



「地下原発なら福島の事故は起きなかった」原発推進派の山本拓・衆院議員が異例の会見
「福島の事故は、地下原発だったら起きなかった。仮に起きても被害は最小限に抑えられる」と断言しました。

原発問題の関連記事



【注目テーマ】脱原発、各国の反応は
参加ブロガーからも「脱原発」をめぐりさまざまな意見が出ました。

【ローマ発】 「東電福島」と共に崩れ去ったイタリア原発政策の虚構
フリージャーナリスト・田中龍作氏が見たイタリアと日本の類似性とは。

「原発か自然エネルギーか」というナンセンス
経済学者の池田信夫氏は、今回の投票結果を受けて「化石燃料を再評価して地球温暖化対策を見直すこと」こそが重要と訴えています。

【新聞チェック】イタリア国営TVの露骨な選挙妨害、原発めぐる国民投票日に「海へ行こう」とアナウンス
BLOGOS編集部が新聞各紙の報道を解析。イタリアの国民投票の舞台裏が見えてきました。

トピックス

ランキング

  1. 1

    SNSでコロナ避難 危機感募る沖縄

    小林ゆうこ

  2. 2

    布マスク費用への批判は大間違い

    青山まさゆき

  3. 3

    コロナ方針 国が変更し都に圧力?

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  4. 4

    日本の補償は本当に「渋チン」か

    城繁幸

  5. 5

    東京都が休業を要請する施設一覧

    AbemaTIMES

  6. 6

    国民の理解得ぬコロナ議論は不毛

    中村ゆきつぐ

  7. 7

    コロナより東京五輪重視したツケ

    WEDGE Infinity

  8. 8

    緊急事態宣言も緊迫感ない芸能界

    渡邉裕二

  9. 9

    タバコで新型コロナ重篤化の恐れ

    BLOGOS編集部

  10. 10

    高学歴女性がグラビア進出する訳

    NEWSポストセブン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。