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「地下原発なら福島の事故は起きなかった」原発推進派の山本拓・衆院議員が異例の会見

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91年に発表した著書『地下原発―共存のための選択』を見せる山本拓・衆議院議員(撮影:BLOGOS編集部 大谷広太)
91年に発表した著書『地下原発―共存のための選択』を見せる山本拓・衆議院議員(撮影:BLOGOS編集部 大谷広太) 写真一覧
 「脱原発で本当にいいのか?」と、原発推進派の国会議員による異例の会見が14日、都内で開かれた。主催は自由報道協会。会場に現れた自民党の衆院議員・山本拓氏(58)は、地下に原子炉を設置する「地下原発」を推進する議連の事務局長だ。「福島の事故は、地下原発だったら起きなかった。仮に起きても被害は最小限に抑えられる」と断言。「自然エネルギーは理想だが、今の技術では十分な電力を確保できない。日本が国際競争力を維持するためには、地下原発が必要だ」と訴えた。【取材・構成:安藤健二(BLOGOS編集部)】

 
 ドイツ政府が原発廃止を決めたほか、イタリアも国民投票で原発反対が過半数を占めて原発再開は不可能になったばかり。日本でも「脱原発」の世論が大きくなりつつある。山本氏も「今は原発推進と政治家が言いにくい状況がある」と認めた上で、「原発そのものを否定するのは簡単だが、結局そうなると火力に頼るしかなくCO2を増やしてしまう。ネットでは叩かれるかもしれないが、誰かが声をあげねば」と、敢えて会見に臨んだ意気込みを打ち明けた。

東京電力のネガティブキャンペーンで尻すぼみに



 山本氏は15基の原発が集中する福井県選出。20年前の1991年に『地下原発―共存のための選択』(文明堂書店)を出版するなど長年、原発の経済性を主張してきた。彼はまず、地下原発に関わった経緯を、こう明かした。

「多数の原発を抱える福井県の県議会に当選した1983年から、好むと好まざるとに関わらず原発の安全性の議論に関わってきました。当時から、放射性物質そのものは人体に有害だから、どう安全に管理するかというところで、“5重の防御”をするということで、地元住民の方を説得してきました。その頃からチェルノブイリの事故もあったし、万が一の事故のときはどうするんだ?という議論は県議会の頃からしていました。世の中の流れは『安全だ』ということで、立地が進んでいました。その後、91年に衆院議員に当選したときに、改めて分かったのは、国は1975年当時から(原発の)地下立地の検討も進めていたんです。コストの面や、放射性物質の遮断などの面から研究をしていました。コストの面でも、2割高い程度で地上式の原発と大差ないという試算も出ていました」

 このように70〜80年代には地下原発を作ろうという機運が盛り上がっていた。82年の読売新聞の一面トップ記事でも取り上げられている。しかし、尻すぼみで終わってしまった。なぜか……。

「私が初当選したころから、地下原発の構想に関わってきた技術者や研究者の方に話を聞いて、それで本を書いたんです。でも、これを出版しても『地上立地が進んでいるのに、今から地下なんて言わないでくれ』と。関西電力は理解があったんですが、東京電力は完璧なまでのネガティブ・キャンペーンを繰り広げて、御用学者を用意して『地下は地上の10倍も金がかかる』とか『落盤事故で非常に危険だ』などと言われたんです」

 そう言って、悔しさをにじませる山本氏。東京電力が強硬に反対したのは「地下原発を認めると、地上の原発が安全ではないと見られてしまうのを恐れたのではないか」と振り返る。

 91年当時、平沼赳夫氏を会長にして自民党内で地下原発の議連を立ち上げてたが、休眠状態になった。山本氏も地下原発から手を引いていたが、今回の原発事故を受けて5月31日に超党派で“地下原子力発電所政策推進議員連盟”として再開したという。
 
 「原発事故を受けてからネットなどを通して、うちの事務所に地下原発の問い合わせが来るようになったんです。なぜかなぁと思ってたら、“原子力の地下立地”で検索すると、ヤフーやグーグルで私の昔書いた本の内容が一番にヒットするらしいんです。ネット検索は怖いもので、20年前に提言していた情報が、検索されて事務所に問い合わせが殺到すると。それで、この本も倉庫から取り出して無料進呈したり無料公開するようになったんですが、それで地下原発議連も、再び平沼先生を会長にして再開することにしたんです。当時の自民党議員も、民主党に行ったり各党にバラけていたんですが、皆さんに話したら『確かにその通りだ』と言うことになったわけです」

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