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【特別寄稿】忘却という名の病(プロデューサーおちまさと)

あれから3ヶ月。

あれからのあれとは
もちろん3.11
『東日本大震災』
のことである。

しかし
今の日本は正直
こう説明しなければ
もはや
「あれからって何からだよ?」
と突っ込まれかねない空気
を感じてしまう。

思えば

衝撃映像のリピート。
余計な使命感によるデマの拡散。
境界なき不謹慎の地雷。
譲り合う被災地、奪い合う東京。
競い合うような義援金ランキング。
一億総似非放射性物質評論家状態。

それらは
熱情のように燃え上がった

かのように見えた。

しかし
現在はどうだろうか。

もはや
全ては3.10状態に
戻ろうとシフトチェンジしている
かのように見える。

この事はあとで詳しく
書こうと思う。

私は3月12日のブログ
から繰り返し
今回の大震災に最も必要なことは

「継続」

であると書いて来た。

日本人は
「続いてのニュース」
に弱い。

瞬間的な正義感で
その場の感情を抑えることなく
ブログに地震や原発の情報や
自分の気持ちを落ち着かせることを
第一優先に書き綴ったり
咄嗟な勢いで駅前に募金に立ったり
した影響力がある方々も
今ではもうブログも
「続いてのニュース」
に話題は掻き消されている。

たった3ヶ月でである。

というか
3ヶ月ももたない。

被災者の方々
避難所で暮らす方々

など被災地は
あれから3ヶ月
厳しい現状は変わらない。

もしかしたら
悪化しているところだってあるはずだ。

「時間」=「改善」

ではなく

「時間」=「悪化」

という場合だってある。

今回は
被災という一言では語れない。

天災により
家や家族、
そして仕事までもが
奪われただけでなく

さらに
人災により
空気も水も電力もという
インフラさえもが
遮断されてしまった方もいる。

それだけではない。

目の前に迫る
今日の食糧や病気や排泄など
現実的な圧迫。

こうなることは
3月11日の段階で
想定内であり
12日の原発事故により
「長期戦」などという
生易しい言葉では語れなくなり

最重要課題は

『継続救済』

となった

はずだった。

こういうことを書くと
「そんな事を書いている暇があったら
被災地に炊き出しに行け」
という空気もある。
その「救済」=「炊き出し」
という流れも画一化されない方が
いいのではないのだろうか。

「炊き出し」は素晴らしい行為である。

しかし

「救済」=「炊き出し」

と画一化しすぎるのは
「継続」を主軸にする場合
論点がずれてしまうのではないか。

私は
3月14日に
不謹慎とは何か。
というブログを書いた。

ただでさえ
日本は「未曾有の不景気」
という経済破綻が囁かれている中
必要以上の『不謹慎の空気』で
経済が停滞することこそ
結果
被災地の復興を遅らすことになり
「継続」を怠らせることに
繋がると思い

「とにかく働ける人間は働くしかない」

と書いた。

「不謹慎の向こう側には労働者がいる」

ということを忘れないことが
未曾有の不景気に起こった
未曾有の大震災を
継続救済していくことに
繋がると思ったからだ。

しかし
3ヶ月が経ち
ここに来て
その『不謹慎』の意味合いが
さらに
「おかしな融解」
を始めている気がする。

それは

一言で言えば
先程触れた

『3.10状態への帰還願望』

とでも言うべきか。

「日本人は変わることが苦手」

である。

私は
今回の大震災で
あらゆる日本の価値観が
劇的に変革していくことこそが
今回亡くなられた多くの犠牲者の方々の
ある種の弔いだと思っているし
大きく日本の舵がきられ
日本人の価値観という年表に
大きく刻まれることとなると
信じていた。

その価値観とは
画一化された幸せを計る
「幸せ定規」の長さが
個々の長さになるなど
既成概念の崩壊や
右へ倣えの終焉など。

しかし
日本人は変わろうとしていない
のではないだろうか。

変わるどころか

「3.10状態への帰還願望」

をとても感じてしまう。

早く
あの頃に帰りたい。

「果たして日本人にとって
3.10は幸せだったのだろうか。」

そんな疑問には目もくれず

当初は熱情のように
盛り上がっていた
震災や原発へのベクトルも
「続いてのニュース」や
御都合主義の自己メリットに
上書きされて

大震災は忘却の彼方へ
葬られようとしているような
気がしてならない。

そして

「自粛するべきものは自粛されず
自粛されなくていいものは自粛される」

という

『不謹慎の液状化現象』

により
溶解は恐ろしい程に
分裂と乖離をし続けている
ようにも見える。

それも全て

この最悪の事態を
打破するために

「変わる」

のではなく

「戻る」

そのために
必死に辻褄を合わせようと
絡まった紐を強引に解き
結果
奇妙な造形物が出来上がった
にも関わらず
それを見て
「戻った戻った」
と言っているようにも見える
気がする。

「継続は力なり」

という言葉がある。

とてもいい言葉だとは思うが
私は単なる
「継続は力なり」
では

「現状維持」

となってしまうのではないか
と思っている。

私は

「進化する継続は力なり」

という言葉を自分で作って
座右の銘にしている。

「進化」「変化」

がなくして
「継続」はあり得ない。

特に今回のような
誰も体験したことのない未来
に立ち向かっていくには
恐れずに変革することが
重要な気がする。

「戻る継続」

ではなく

「変わる継続」

これしか

「忘却という名の病」

の処方箋はない

のではないだろうか。

画像を見る

おちまさと

人気テレビ番組やWEBサイトを始め、数多くの企業ブランディングやコラボ企画のプロデュースを手掛ける大活躍中の人気プロデューサー。

さらに様々な分野でのデザイン、音楽プロデュース、作詞、ラジオパーソナリティー、CM監督、本の執筆、講演活動など、その活躍は多岐に渡る。

・おちまさとオフィシャルブログ:http://ameblo.jp/ochimasato/
・おちまさと公式twitter:http://twitter.com/ochimasato
【特別寄稿】おちまさと『不謹慎』とは何か。

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