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「被災地のメディアだからこそできることがある」河北新報社・佐藤和文メディア局長インタビュー

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自転車で被災地を回ってツイート


―ネット上では、新聞記事の配信以外にはどんなことを?

佐藤:ツイッター上で「自転車で被災地を回る」という企画を、うちのスタッフの記者の自主的な判断で始めたんです。人数はたった2人ですが、自転車で見たり聞いたりしたことをツイートする。これは、震災からちょっと時間が経つと、沿岸部は非常にひどい状態なんですが、仙台市の中心部では落ち着きを取り戻してきていたんです。ただし、物が売っていない。電気もない、ガスもない。買い物もできないという。そんな状況の中で、ポツリポツリと店が開き始めたんです。それをかなり丹念にフォローしました。これは、読者からも非常に好評でした。「河北新報が怒涛のようなツイートをしている」と話題になったり、「うちは河北取っているので同じ記事はいらないけど、自転車で回ってもらっているのは助かる」というコメントがありまして、それだけでも私は合格点をもらえたかな?と思っています。

「情報がない」という不安



― 地方紙は、地域の方が必要な情報を地域の方に届けるという意味で、マスメディアとしての役割が全国紙と少し違っていますよね。被災地の皆さんが求めていたのは、やはり安否情報などでしょうか?

佐藤:震災になって電気も使えない状態では、「ネットはダメだ」とかいろいろ言われました。被災の最もコアな部分……家を流され避難所にいる方々や、亡くなったかどうか分からない方の安否情報に関しては、ネットでは何も届かなかったと思います。そこに時間を経て、少しずつ届き始めたのは、新聞であり電波だったと思います。特にラジオの存在は大きくて、コミュニティFMは非常に活躍していました。私どもも今後は多メディア対応の一環として、コミュニティFMなどのラジオのみなさんと連携できればと思っています

今回の震災では、情報がないことに対する不安が、人々の間で非常に大きかったと思います。電話、携帯、インターネットがこういう災害のたびに途絶えてしまう。私自身は、こういうことを放置してはいけないと心から思います。たとえば、家族と連絡が取れないために(海岸に)探しに行って津波に飲まれてしまった人もいるかもしれない。これが携帯がパっと繋がって「ここにいるよ」あるいは「助けて!」でも、肉親の声が聞けて安否を知った上で行動ができれば、同じ悲劇でも救いようがあるんですが、何も分からない状態で悲劇に出会うのは、人間にとって非常につらいことだと思うですね。

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