記事

「被災地のメディアだからこそできることがある」河北新報社・佐藤和文メディア局長インタビュー

1/3
河北新報社・佐藤和文メディア局長
河北新報社・佐藤和文メディア局長 写真一覧
東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方。ライフラインが途絶える中で、地方紙が従来の「紙」にこだわらず、インターネットでの情報提供で活躍していたことは、地元以外ではあまり知られていない。今回、BLOGOS編集部は、河北新報社(宮城県仙台市)でネット報道を指揮してきた佐藤和文・メディア局長に「震災時のメディアのあり方」について、詳しい話を伺った。【取材・構成:田野幸伸、安藤健二(BLOGOS編集部)】


震災時、USBカードでニュース配信


― まず3月11日に震災が起きたときに、何をしなければと思いましたか?

佐藤和文氏(以下、佐藤):地震が来て、実はすぐに「全員避難せよ」と全館退避になりました。しばらくして戻ってから、まずインターネットが使えるかどうかを真っ先に確認したんです。河北新報のニュースサイト「コルネット」が外から見れない状態になっていたんです。サーバーが倒れていたのですが、起こしたら中は幸い正常でした。しかし、社内LANでは正常に見れるんですが、外から見れない状態が15時間半も続いたんです。

実は、インターネット回線の主要幹線であるバックボーンがやられてしまったんです。データセンターまでの回線は、こういうときに備えて二重にしてあったんですが、その先のバックボーンがダメだったんですね。ネット系の報道部門としては、手足をもがれたような状態でした。

― 大変な状態ですね。回線が復旧するまでの間は、どうされたんですか?

佐藤:幸い私どもは「ふらっと」という地域SNSをやってまして、このサーバーが遠隔地に置いてあったんですね。それが外からも見れる状態で、全く問題がなかったんです。書き込みも閲覧も全部できる状態でした。ところが、私どもには外に出ていく回線がない。

それで、うちのメンバーが回線探しを始めまして、USBタイプのデータカードがあってそこの電波が辛うじてインターネットに繋がっていたんですね。それで、SNSを使ってニュースを配信しようと決めたんです。それが最初の立ち上がりでした。SNSの中で「編集部から」といったコーナーがあるのをニュースのコーナーにしました。うちの号外とか速報とか、新聞に載るはずのニュースを写真を含めて全部出すということをやりました。

ニュースサイトが外から見れない状態で『じゃあ、どうする?』というのが最初のチャレンジだったんです。もし、USBカードすら使えなかったとしたら全然、情報が発信ができなくて致命的でしたね。何しろバックボーンが復旧したのは、次の日の朝6時でしたから。

トピックス

ランキング

  1. 1

    高額ギャラ原因?芸能界リストラ

    渡邉裕二

  2. 2

    独身でいる理由 男女の5割で共通

    ニッセイ基礎研究所

  3. 3

    コロナ春に収束向かう? 医師予想

    シェアーズカフェ・オンライン

  4. 4

    コロナより政局に熱心な小池知事

    石戸 諭

  5. 5

    詐欺横行の英国でワクチン接種へ

    小林恭子

  6. 6

    ラブリから性被害 女性が告発

    文春オンライン

  7. 7

    歌舞伎町 6万円もらい隠れ営業も

    國友公司

  8. 8

    二階氏に「引退して」と批判殺到

    女性自身

  9. 9

    理にかなった皇居の関西移転論

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  10. 10

    医師が日本のワクチン報道に嘆き

    中村ゆきつぐ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。