- 2017年07月25日 21:07
共青団ホープ・孫政才、北戴河会議直前に失脚のワケ - 山口亮子 (ジャーナリスト)
2/2「ほかのハイレベルな『大トラ』を引っ張り出す可能性も」?
調査理由がはっきりしない一方で、その政治的影響の大きさは明らかだ。今回の件で最大の利益を得たのは、後任となった陳氏だ。習近平氏が浙江省党委書記を務めていた時の部下で、この抜擢を足掛かりに一気に政治局常務委に入る可能性もあるとされる。常務委入りが孫氏とともに有力視されていた胡氏も、敵失で常務委入りの可能性が一層高くなった。
ともかく、これで十九大での常務委入りを巡る番狂わせは確実になった。孫氏の人脈は、失脚した石油閥の周永康氏にもつながるとされる。多維新聞は7月21日の記事では、「あるウォッチャーは、孫政才の『政治動向不明』の背後にはさらなる反腐敗運動が隠れており、その波及する範囲の広さは、金融領域、石油領域だけでなく、あるいはさらに多く、はなはだしくは農業領域まで巻き込んだ腐敗事件にまで波及するかもしれず、ほかのハイレベルの『大トラ』を引っ張り出す可能性もあるとみなしている」と指摘した。
陳氏といった子飼いの部下を重要ポストにつけたい習氏は、どの程度孫氏の失脚を利用し、権勢を強固なものにできるのか。共青団や長老たちがどの程度その動きに対抗できるのか。孫氏に対する調査が明らかにされ、その復活が不可能になったことが、今後10数年間の中国に影を落とし続けるのは間違いない。
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