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- 2011年05月30日 14:00
【押し紙裁判会見】新潮社・黒藪氏敗訴「プライドがあるなら言論で主張すべき」
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敗訴判決直後の会見のためか、時折暗い表情を見せる黒藪氏 写真一覧
A:押し紙は昭和4年〜5年ころからあったと記録が残っている。80年前から。
Q:販売部数が徐々に減っていく中で、今までどおりの発行部数を引き取らなければいけない、といったことはあるのか?
A:あります。毎日新聞の例ですが、景気のいいときは部数はどんどん伸びた。ただしこれは景品をばら撒いて増やした数字。昭和30年代には総額2億円の福引企画などを読売もやっていた。毎日新聞はもう景品を配る体力がなくなり、どんどん部数が落ちて行き、押し紙が増えていった。
Q:朝日も日経に続いて電子版を始めた。個別宅配制度から電子版に移っていけば、
押し紙はなくなるのでは? この不正なビジネスモデルはどれくらい続くのか?
A:長くないと思います。限界に来ていると思います。ですが、読売1000万部、朝日800万部、この数字を電子版で継続するのは難しいと思います。
Q:コンビニや駅売りの新聞にも「押し紙」制度はあるのか?
A:ちょっと、知らないんですが、たまたま読売の「即売部数(駅やファミリーレストランなどの部数)」を調べていたら、ここ数年でかなり増えている実態がある。これは押し紙ではなく、見本紙として入れているんだと思う。
Q:ファミレスやビジネスホテルでも新聞が配られているが、あれは?
A:今、この問題を取材している。まだ取材途中だが、すかいらーくグループのファミレスは「見本紙として置かせてくれ」と言われて置いていた。この部数は即売部数に含まれる。東横インにも読売が入っている。これを問い合わせたが、東横インは「回答しない」との事で、どこから新聞が入っているかはわからなかった。
Q:押し紙が2割から3割ある、という事は、それをやめれば輪転機は2割〜3割の節電になるのでは?
A:電力は詳しくないですが、常識で考えればそうなるでしょう。それに新聞は森林を伐採して作りますから、環境保全のためにも押し紙はやめたほうがいいでしょうね。
Q:裁判で原告側から言われて印象に残っている言葉は?
A:特にないが、理不尽だなと思ったのはメディアの問題、言論表現の自由を、司法にゆだねるというのが、世界を代表するメディアのすることかと。非常に不愉快だった。読売の紙面で、論争をしたかった。
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黒藪氏は「情けない。物を書いている者として、プライドがあるなら言論で主張すべきだ」と、メディアとしての読売新聞を痛烈に批判した。数十年後には「木を切って紙にして印刷して家に配る」という非効率なシステムは絶滅しているかもしれない。その日が来るまで、新聞社との戦いは続くのであろうか。



