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【押し紙裁判会見】新潮社・黒藪氏敗訴「プライドがあるなら言論で主張すべき」

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ジャーナリスト黒薮哲哉氏(自由報道協会主催会見 著者撮影)
ジャーナリスト黒薮哲哉氏(自由報道協会主催会見 著者撮影) 写真一覧
週刊新潮が報じた、新聞発行部数を水増しする「押し紙」の記事で名誉を傷つけられたとして、読売新聞東京・大阪・西部の3本社が、新潮社とジャーナリストの黒薮哲哉氏に対し、5500万円の賠償などを求めた訴訟の判決で、村上正敏裁判長は「週刊新潮側の調査は正確性に疑問があり、客観的裏付けもない」とし、385万円の支払いを命じた。新潮誌面への謝罪文掲載要求は却下された。新潮社・黒藪氏は控訴の意思を示し、会見を開いた。【取材・構成 田野幸伸(BLOGOS編集部)】


押し紙とは



黒藪:ご存知とは思いますが、「押し紙」について簡単にご説明しておきます。押し紙とは実際に配っている新聞を超えた部数を、新聞社が販売店に送りつけ、買い取らせている新聞のこと。例えば、新聞の読者が1000人いる販売所に1500部の新聞を押し付け、1500部の卸代金を新聞社が取る。

毎日新聞の例で言うと、2007年、大阪府の蛍池の販売所では2320部が卸され、実際の販売部数が746部だった。つまり1574部が余る。7割が押し紙だった。これが新聞社の感覚で言うと、押し付けた部数ではなく販売所が勝手に仕入れた「残紙」「積紙」なんて言う。では、どうやって採算をとるのかというと、2つ方法があって、1つは織り込みチラシを水増しする。チラシの広告費は仕入れに比例するので、2320枚分入る。この儲けで、仕入れ分を相殺する、しかしこれだけではまかない切れないので、もうひとつは新聞発行本社が補助金を出す。月に150万円ほどの額を出して、買い取らせる。なぜこんな紙のムダまでして、買い取らせるかというと、ABC部数(新聞雑誌部数公査機構の部数)にカウントさせて新聞の発行部数を多く見せる。それが媒体価値(広告の価値)になる。


判決を不服として控訴



黒藪:今回の週刊新潮の記事は、滋賀県のチラシ配布の会社が、大掛かりなマーケット調査をした結果を受け、新聞の実配布数などを調べた数値から、押し紙率を計算して、書いた。

データでは読売18.4%の押し紙率だったが、1997年から取材をしてきて、数々の証言や裁判の記録などを鑑みて、18.4%というのはかなり少ない数字で、少なくとも30%〜40%は(押し紙率が)あると推測した。滋賀県というのは、新聞販売店の労働組合が強いところ、さらに中心メンバーが読売の販売店なのでなので、読売の押し紙率が18.4%と低かったのかとも思っている。

という内容を新潮に書いた。それが名誉毀損に当たるとして、今回訴えられました。

それと、押し紙によってどれだけ不正な利益を上げているかですが、4社の平均で、1年間で360億円と計算した。これも、争点になりました。

判決ですが、読売側の訴えがほぼ認められ、読売さんの完全勝利となりました。裁判所は、チラシ配布会社の市場調査を「非常にずさんなもの」とし、さらに、押し紙を回収している写真なども、見た目からは部数を判断できないと認められなった。読売新聞は販売店とあちこちで係争中で、その裁判で上がってきた証拠も提出したが、押し紙の裏づけにはならないとされた。

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