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【BLOGOS対談】「光の道」めぐりソフトバンク・孫正義社長が大激論(前編)

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「2015年までに国内の4900万世帯にブロードバンドを普及させる」との目的で、原口一博総務大臣が提唱した「光の道」構想。これを支持するソフトバンクの孫正義社長と、反対の立場を取る経済学者の池田信夫氏が、6月17日に「光の道対談」を行った。司会進行をドワンゴ取締役の夏野剛氏が務め、ニコニコ動画やUSTREAMでも生放送される中、2人はそれぞれの立場から意見を戦わせたほか、電波行政や各キャリアの裏事情を明かす場面も。じつに3時間以上に及んだ大激論の模様をレポートする。(取材・校正:上新大介)<後編はこちら>

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夏野:Ustreamとニコニコ生放送をご覧の皆さん、こんばんは。夏野でございます。今日はソフトバンクの孫正義社長と、経済学者・池田信夫さんの「光の道」対談の司会を務めさせていただくことになりました。この対談は5月13日に孫さんと佐々木俊尚さんとの間で行われた対談の第2弾にあたります。「光の道」というのは、日本国内の全家庭に光ファイバーの回線を引くのを一気に進めようという構想で、もともとは総務大臣の原口さんが言いだしたものです。…孫さんが仕掛けたわけではありません(笑)。

孫:私も前から言ってはいましたけどね。基本的なビジョンは原口さんによるものです。

夏野:孫さんはこの「光の道」構想に全面支持の姿勢を打ち出しています。ただ、この構想に関しては、多くの方が「そんなに簡単ではないだろう」とお話されていて、池田先生もその一人です。その池田さんのコメントに、孫さんがツイッター上で「語り合いましょう」とつぶやき、池田さんも了承したことで、私がなぜか司会になってお二人で対談していただくという形になりました。まずは孫さんから、「光の道」がなぜ必要かについてプレゼンしていただきたいと思うのですが。

孫:(ディスプレイに映し出された資料に目をやりながら)「光の道」とは何かというと、いま固定回線が6200万回線ありますが、この中に含まれているメタル回線を全部なくして光回線に切り替えましょう、しかも税金を1円も使わずにやりましょう、そしてそれを民間の企業のまま実現しましょう、という構想です。
 物理的な回線におけるメタル回線の料金は1400円ですが、これと同じ値段で光回線を提供する、というのが「光の道」でやりたいことその1です。
 やりたいことその2は光のブロードバンドサービス。情報サービスや通信サービスなどをADSL以下の価格で提供するようにしましょう、しかも離島も含めて一人も取り残さず希望者全員にこれらのサービスを行き渡らせるようにしよう、というものです。その利活用の代表的な例として、電子教科書や電子カルテといったものの端末を無料で、ハードだけじゃなくソフトや通信代も込みで無料で配りましょう、というのがあります。ちなみに田舎の方、あるいは都会の方でも、「うちは黒電話しかいらない。従来の電話だけでいい」という方がいらっしゃいます。そのような方々にも、従来のハードウェアはそのままで、従来の値段でサービスを受けられるようになります。

 なぜ「光の道」をやるのか? 日本の成長戦略の鍵は情報通信にあると思っています。国民の関心事の中でも、「日本の成長戦略をもう一度描く」ということには大きな関心が集まっています。ただし過去15年くらいを見ると、情報通信関連の産業は伸びていますが、他の産業はあまり伸びていません。実際問題として、伸びていないところをもう一回伸ばすのは、なかなか難しいですね。だったら伸びているところ、つまり情報通信をもっと伸ばしましょうと。もしインフラごと、1円の税金もつかわずにさらにレベルアップできたなら、日本国内の成長エンジンになりうるのではないかと思います。
 ところで、日本のブロードバンドはもう十分だろうという説もあります。たしかに一時的には、世界一安く世界一速い、普及率も世界一かも…という時期を迎えました。でも一瞬気を抜いた途端、日本は16位に転落してしまっています。だから「日本がブロードバンド普及率で世界1〜2位を争っている」は誤解で、これから巻き返さなければいけません。
 よくNTTさんは、「光回線の普及率は、もう90%のところまで行っていますよ」という話をされますが、じつは33%の世帯でしか光が使われていないのが現実です。他の国々はどうか。シンガポール、韓国、オーストラリア、スウェーデン、アメリカなどは、100%、あるいはそれに近い普及率を目指しております。33%くらいの普及率の日本が安穏としていい状況ではまったくないのです。これだけ普及率が低い状況から、メタル回線をなくすことで光回線100%に切り替えましょうというのが、今回の「光の道」の肝になります。光回線で成長を加速させる事は、日本の国家のインフラ、教育、仕事、余暇、健康、あらゆる産業に役立ちます。
 それから私は、情報産業だけが成長すればいいというのではなく、たとえば農業もITを活用した農業を行っていく、さらに漁業も、流通業も、製造業も、金融業も−−というように、ありとあらゆる産業がIT化して、従来型の産業構造から21世紀型の産業構造に変えなければいけないと思っています。情報通信という一つの産業だけをレベルアップするのではなく、すべての国民・すべての産業が、新しいパラダイムとしてインフラを利活用できるようにに持っていくことが大変重要じゃないか、という風に思うわけです。

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