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新人時代、月に200時間も残業し“プチプチ”にくるまって寝ていた。“やりがい”や“大義名分”以前に食べていくことで精一杯だった - 「賢人論。」第42回村上憲郎氏(前編)

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若者は一度、貧しさに恐れおののく経験をしてみるべき

みんなの介護 村上さん自身「のし上がってやるぞ」という思いは若い頃から強かったんですか?

村上 のし上がる、なんて言うと何だか悪党みたいに聞こえますが、でも私が言っているのはある意味そういうことですよ。生きていくにはある程度“悪党”でいいんだと思うんです。自分のために必死に生きることは全然恥ずかしいことじゃないですよ。

みんなの介護 “ゆとり”や“草食系”などという言葉も流行りましたが、現代の若年層の中にはそういったハングリー精神が乏しい人も多くなっていると言われています。

村上 我々のような団塊の世代は貧しい戦後の世の中で幼少時代を過ごし、だんだん生活水準が上がっていったというラッキーな世代の人たちなんです。そうして辿り着いた生活水準を、彼らの子供や孫たちは当たり前のものとして施されてきた。だから、今の人たちは“ひもじい”とか“明日の食料が手に入らない”という感覚があまり身についていないわけです。

これは大変幸せなことなんですが、一方では、また戦後のように日本が貧しくなってしまうことも可能性としてはあり得るんだということを、妄想で良いのでイメージしてみることが大切だと思いますね。

みんなの介護 今の若い世代にとって仕事は“食うため”というよりも「やりがい」などが重視されている気がします。

村上 あと“自分探し”とかね。そんなもの食えるんか(笑)?「やりがい」を食べて生きられるんか?そんなことはない。まずはパンが手に入らないとダメでしょう。もしも、食べ物を買うお金がない、なんていう状況になったら、私は店頭のものだって盗むかもしれない。我が身が大切なのはみんな同じですから、食べ物を奪い合って殴り合いになるかもしれない。

そういう状況を考えれば、“草食系”だとか“自分探し”だなんて言ってられないですよ。一度そういうことをみんなでディスカッションし、恐れおののくという経験をしてみれば、また生き方が変わる人もいるんじゃないですかね。

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