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【佐藤優の眼光紙背】石川知裕衆議院議員に対する第一審有罪判決について

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 9月26日、東京地方裁判所は、小沢一郎・元民主党代表の政治資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で起訴された元秘書・石川知裕氏(衆議院議員)ら3人に執行猶予つきの有罪判決を言い渡した。土地取引事件で起訴された石川氏が禁錮2年執行猶予3年(求刑・禁錮2年)、後任の元事務担当秘書・池田光智氏(34)が禁錮1年執行猶予3年(求刑・禁錮1年)。会計責任者として、西松建設の違法献金事件でも起訴された元秘書・大久保隆規氏(50)に関しては、土地取引事件の一部は無罪としたうえで、禁錮3年執行猶予5年(求刑・禁錮3年6カ月)という判決が言い渡された。

 今回の判決は、検察の完全な勝利だ。筆者は、この裁判を「誰が日本国家を支配するか」という問題を巡る政治エリート内部の権力闘争と見ている。もっともこの権力闘争に加わっている個々のプレイヤーは自らが果たしている社会的、歴史的役割を自覚していない。検察庁は「国家は資格試験で合格した偏差値エリートが支配するべきである」と考える官僚階級の集合的無意識を体現している。これに対して、「小沢一郎」という記号が、民意によって代表された政治家を代表している。ここで、実際に小沢一郎氏が民意を体現しているかどうかは重要でない。官僚から見れば、国民は無知蒙昧な有象無象だ。この有象無象から選ばれた国会議員は無知蒙昧のエキスのようなものだ。資本主義社会において、カネと権力は代替可能な関係にある。カネの力で無知蒙昧な有象無象の支持を取り付け、国家を支配しようとする「小沢一郎的なるもの」を排除しないと、日本が崩壊するという官僚階級の危機意識から、この権力闘争は始まった。

 2009年11月、石川氏から筆者に電話がかかってきた。司法記者が石川氏の秘書に「検察が『石川は階段だ』と言っています」と伝えてきたので、その読み解きに関する相談だった。筆者は、「要するに石川さんという階段を通じて、小沢幹事長にからむ事件をつくっていくという思惑なのでしょう。これは僕にとってとても懐かしいメロディです。2002年6月に鈴木宗男衆議院議員が逮捕される過程において、『外務省のラスプーチン』こと私が『階段』として位置づけられていたからです」と答えた(2009年11月24日付眼光紙背「特捜検察と小沢一郎」参照)。

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