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バロンズ:ダウが最高値を更新中、FRB議長の後任探しは終盤へ?

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金融業界出身者のFRB議長は、過去にも存在した。ウィリアム・マクチェスニー・マーティン氏は1951年から1970年にかけFRB議長を務め、着任以前は”ウォールストリートの奇跡の男”と評価され、ニューヨーク証券取引所の社長として初めて給与を支払われた人物でもある。その後、財務次官としてワシントンへ向かいFRB議長に就任した。

FRB議長の職は、経済学と政治がまみえる領域だ。1960年の米大統領選を迎え、リチャード・ニクソン副大統領(当時)は自身でFRB議長を選びたいと考えていた。尊敬されるエコノミストだったアーサー・バーンズ氏は当時、金融と財政の引き締めは成長を阻害し、ジョン・F・ケネディ候補との戦いで敗北をもたらすと助言したとされる。ニクソン氏はホワイトハウス入りした暁に自身に忠実な人材を集め、FRB議長にバーンズ氏を指名した。その結果がレトン・ウッズ体制の崩壊、ドル安、マネーの拡大、原油価格の高騰、そしてスタグフレーションである。

マーティン氏のように、ボルカー氏はFRB議長として中銀の独立性を確立した。レーガン政権の指名を受け1987年に着任したアラン・グリーンスパン氏は、1992年にブッシュ米大統領(当時)が選挙に敗北した時に責任を擦り付けられた。クリントン政権では同大統領による初の議会演説でヒラリー夫人の隣の席を陣取っていたものだ。ブッシュ政権(息子)の時代には、金融危機が発生するまで”マエストロ”と崇められるようになる。歴史が示すように、FRB議長は政治と癒着するより断固たる独立性を保っていた方が良い経済に好影響を与えやすい

コーン氏が何を考えているかは知る由もないが、大人気ミュージカル”ハミルトン”の歌にある通り”何かが起こる部屋”にいることは確かで、ホワイトハウスがそれにあたるだろう。NEC議長として、コーン氏はトランプ米大統領選が目指す政策立案を推進してきた。トランプ米大統領は低金利支持派と発言したが、FRB議長を務める人物にはそれ以外の何かを求めるに違いない。

——バロンズ誌と言えば、ニューズコープの傘下であり会長はルパート・マードック氏で、トランプ米大統領と懇意で知られます。英フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで同席していたとも報じられていましたね。WSJ紙のジェラルド・ベーカー編集長はトランプ米大統領に関わる報道が手ぬるいとの批判を何度かかわしたとされ、ピュリッツァー賞を受賞した高名なコラムニスト、ブレント・スティーブンス氏が妻のニューヨーク・タイムズ紙に移籍した理由も編集方針との衝突と囁かれています。それでもベテランのコラムニストで、アップ・アンド・ダウン・ウォールストリートのランダル・フォーサイス氏は静かにペンで攻撃した格好です。

コーンNEC議長がFRB議長に就任すれば、アーサー・バーンズ氏以来のイエスマン議長の登場で経済に打撃を与えると指摘したも同然ですから。FRB議長が交代するタイミングでは相場が荒れやすくなり、1987年10月19日にはブラックフライデーが直撃したことはご案内の通り。トランプ米大統領は過去を振り返ることなく、独自路線を貫きFRB議長を指名してくるのか。少なくとも、イエレンFRB議長がジャクソン・ホール会合に出席するかがひとつのヒントを与えてくれるでしょう。

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