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どうしても雇用の回復を「ウソ」と言いたい人達

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その3:総雇用者数に占める正規雇用者数の比率は下がり続けている。

この点はトンデモ論というよりは、私たちがデータを見る時にその前提となっている条件の変化に気が付かない結果、解釈を誤る例だと言えよう。既にこのブログでも、ロイターの論考でも取り上げた件なので、手短にコメントしてデータを更新した図を掲載しておこう。

関連論考:https://blogs.yahoo.co.jp/takenaka1221/20979662.html
http://jp.reuters.com/article/column-masaharu-takenaka-idJPKCN0ZF0RJ?sp=true

引用:「2013年以降の雇用回復について「増えたのは非正規雇用ばかりだ」という政権批判が繰り返されてきた。しかし問題は、正規雇用者比率の増減を、何を分母に判断するかだ。通常は雇用者数全体に対する比率で議論されている。これを見ると確かに非正規雇用者の比率は上がり、正規雇用者比率は低下している。もっとも、それはアベノミクスで始まったことではなく、1990年代からのトレンドだ。

しかし、65歳以上の人口が増える方向に人口構成が大きく変わりつつある日本の状況を考えると、雇用者数全体に対する比率で見ることは必ずしも妥当ではない。通常、正規雇用の対象となるのは学校卒業から引退するまでの生産年齢人口である。就学中の学生が正規雇用であることはあり得ないし、また引退した高齢者が、年金の補完などのために就業する時は、正規雇用でない場合が一般的だからだ。したがって、生産年齢人口に対する同じ年齢層の正規雇用者数の比率を見る必要がある。

それを示したのが下の掲載図だ。見てわかる通り、1990年代をピークに下がるが、2005年を底に上昇に転じている。要するに、生産年齢人口の漸減という人口構成の変化を考慮すれば、安倍政権下でも正規雇用者も含めて雇用の回復が進んでいると言える。」

図5:総雇用者(除く役職)に占める正規雇用者数の比率(長期下げトレンド、足元横ばい)
図6:25歳~64歳人口に占める同年齢層の正規雇用者数の比率(2005年を底に上昇、特に2014年から上昇速度が速くなっている)

また、65歳以上の高齢者の就業者は非正規雇用ばかりかというと、必ずしもそうでもない。65歳以上高齢者のひとつの特徴は企業役員が多いことだ(現在約100万人)。正規雇用従業員に役員数を加えて、65歳以上の総雇用数に対する比率を示したものが図7である。

65歳以上人口に占める就業者(770万人、2016年)の比率は2割余りで、足元では少し上向いている。
同じく雇用者数は501万人(2016年)で、それに占める役員と正規雇用の比率は約4割である(2016年)。

最後に、「本当に人手不足ならどうして賃金がもっと上がらないのか」と思う人もいるだろう。その点は物価の問題との関連でロイターコラムで取り上げた点なので、以下ご参照頂きたい。

近著「稼ぐ経済学~黄金の波に乗る知の技法」(光文社)2013年5月20日

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図1
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図2
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図3
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図4

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図5
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図6
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図7
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以上

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