- 2017年07月16日 11:15
ひきこもり30年44歳 小遣い6万の是非 70歳父 68歳母からの悲痛SOS
2/2収入は年金だけ、財産は虎の子の500万のみ
次にご家族の財産、収入支出を伺いました。
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▼財産貯金……約500万円
※その他の財産なし
▼収入
お父さん……公的年金収入 210万円/年
お母さん……公的年金収入 74万円/年
※公的年金以外の収入なし
▽支出
生活費や家賃など……年額392万円
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単純計算ですが、貯金500万円÷年間の赤字108万円=約5年で貯金が底をつく、ということがわかりました。
■「ひきこもりの子に小遣い6万円」は正しいのか?
「えっ? うちにはもうこれだけしかお金がないの? やばいじゃん。どうすればいいの」
家計の状況やいずれ貯金が底をつくという現実を初めて知った長男。聞けば、家族のお金のことはとても気になったけれど、なかなか聞き出すタイミングがなかったとのこと。もっと早く教えてくれればよかったのに……とかなりショックを受けてしまったようです。
このご家族には他にも多くの課題が見つかりましたが、その分、私からの提案も多くなってしまいます。最初から多くの提案をしてしまうと何から実行していけばよいのか迷ってしまい「結局何も行動しない」というリスクが高くなってしまいます。
どんだ解決策でも、それを実行しなければ現実は変わりません。そこで長男を含めたご家族での話し合いの結果、まずは以下の2点を早いうちに確実に実行する、ということで覚悟を決めていただきました。
・長男の小遣いの減額
・住み替え先を探す。可能なら早目に住み替える。
この2つの提案を実行するだけでも、年間の支出はかなり改善します。
長男の小遣いは月6万円。小遣いの主な使い道は、お菓子、ジュース、マンガ、ゲームソフト、パソコンのゲームや周辺機器、映画、アニメグッズ、フィギアなど。足りない月は追加で請求していたため、小遣いだけで年間約80万円もかかっていました。
「小遣いは減らしてください。月3万円あれば大丈夫です」
長男の小遣い減額の話になった際、長男自らがこう切り出してくれました。
「小遣いは減らしてください。月3万円あれば大丈夫です。足りなくなってもせびることはもうしません」
画像を見るここで注意いただきたいことは「小遣いは0円にしない」ということです。
ひきこもりのお子さんに小遣いを与えること自体は決して悪いことではありません。お金を遣って欲しいものを買いに行くという活動は、お子さんが社会とつながるために必要不可欠なものだからです。
ただ、今回のご家族にとって「月6万円+アルファ」という金額はちょっと多かったように思われたので、減額という提案をさせていただきました。
次に住まいに関するお金の見直しです。マンションの家賃や管理費は月額計11万円。お父さんが現役世代の時は何とかなっていましたが、退職後、年金生活に入った後はこの月額11万円はかなりの出費と感じていたようです。
退職後はご夫婦の間で何度か住み替えを検討したこともあったようです。しかし、長男の性格上、住み替えには応じないはず、と思い込んでいたため、なかなか踏み出すことができなかったとのこと。
そのような心配も今回の家族会議で払拭されました。
長男は家族のお金の見通しを知ったため、住み替えの提案には反対しませんでした。ただし、住み替えをするにしても家族の希望でやっぱり地元にしたい、とのこと。話し合いの結果、最寄り駅からは遠くなりますが家賃6万円台の物件を探していただくことにしました。
以上のことを踏まえた結果、年間支出は290万円ほどになりました。家族の収入が284万円なので、大赤字のままの状態はひとまず改善できることになりました。ただし、この家族のケースは後日、新たな展開もありました。それについてはまたの機会にでも。
■ひきこもり、ニートの子を支援してくれる団体や人とは?
今回のご相談では、まずは長男に家族のお金の見通しを知っていただくことから始めました。今回のケースに限らず、ひきこもりのお子さんであっても、将来のお金に不安を持っているケースは少なくありません。ひきこもり予備軍ともいえるニートの子を抱えている家庭でも、同居する働かない子どもの「コスト」は徐々に重荷となっていきます。
画像を見るその場合、今後のマネープランなどに関して家族だけで話をしようとしても言い争いになってしまい、うまくいかないこともたびたびあるようです。そのような時は家族の中だけで何とかしようとせず、可能な範囲で外部の支援者の助けを借りる、ということも検討していただければと思います。
支援者とは、たとえば以下のような方々です。
●お金に関するご相談なら、ひきこもりに理解のあるファイナンシャルプランナー。
●心のケアや安定を求めるなら、精神科などの専門医師。
●障がい年金なら、年金事務所の相談窓口や区役所の国民年金課。
●自立支援医療や障がい者手帳なら、区役所の障がい福祉課(※障がい福祉課は地域によって様々な呼び名があります。以下同じ)。
●ひきこもり全般のご相談なら、ひきこもり地域支援センター、精神保健福祉センター、保健所など。
●就労支援(障がい者の就労支援)なら、就労継続支援などを行っている団体やハローワークの障がい担当窓口、区役所の障がい福祉課など。
●同じ悩みを抱えているご家族との交流なら、「親の会」。
そのほかにもご家族の状況に応じて、適切な支援者がいらっしゃると思います。家族の中だけで解決しようとせず、ぜひ外部の力を借りることを検討してください。
(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田 裕也)
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