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インタビュー:川村東電会長、福島第2とトリチウム水は「結論急ぐ」

[東京 14日 ロイター] - 東京電力ホールディングス<9501.T>の川村隆会長は、ロイターなどの取材に応じ、福島第2原発の扱いと、福島第1原発の事故処理作業での懸案の放射性物質トリチウム(三重水素)を含んだ水の処理に関して、東電としての結論を急ぐ考えを示した。川村氏は、「どういう期限でどうやっていくのか、急いでやろうとしている」と述べた。

<サイロに戸惑う新会長>

川村氏は、日立製作所<6501.T>が日本の製造業として当時、最大の赤字(純損失7873億円)を出した直後の2009年4月に日立の会長兼社長に就任した。同氏を中心に策定した「100日プラン」を通じて再建の道筋をつけ、11年3月期以降に日立の業績は急回復。その実績を買われて川村氏は6月下旬、東電会長に就任した。

就任2週間余りでの東電の印象について、同氏は「サイロのような組織が各部門にあって、大きな組織的活動が普通の会社に比べてしにくく、過去にいろいろな問題をもたらしたのではないか」と語った。

8年前の日立に比べてもはるかに困難な状況に置かれる東電の諸懸案に対し、どの程度の期間で処方せんを示すのか。記者の質問に川村氏は「12日の取締役会で、特にスピードアップする項目をリストアップした」と述べ、具体的な項目として「トリチウム水や福島第2の今後の方向付け」を挙げた。「100日プランという名前ではないが、出来るだけ早く、いつまでに何をするのか、大項目を取締役会で議論した」という。

<第2原発、結論引き伸ばしをわびる>

福島第1から南側約12キロに位置する福島第2は、過酷事故を免れたものの、再稼働は不可能とみられている。福島県庁や福島県議会など地元側から東電に対し、廃炉を決定するよう要請が続いているが、東電は結論を示さない対応を続けている。

6月23日の新経営体制発足後の記者会見で、川村氏は福島第2原発の扱いについて「どの発電所が役に立つのか順番の整理が終わったら、最終的に意思決定できると思う」などと述べた。

今回の取材で、同氏は福島第2について「東電が決断を何年も引っ張っているのは申し訳ないこと。(発電所としての)経済性のチェックが、時間がかかる理由になっているが、なるべく早く結論を出す」と話した。

<タンクに溜まる水、海洋放出は不可避か>

東電は、福島第1原発で発生する汚染水からセシウムなど62種の放射性物質を処理装置で除去した後も、分離できないトリチウムを含む水を同敷地内のタンクに貯蔵している。

ただ、最終的な処理方法が決まっておらず、処理水が増え続けている中での現行の対応策は、いずれ限界に突き当たるのは必至だ。

トリチウムは最も毒性の弱い放射性物質の1つと考えられており、東電による廃炉作業を監督する原子力規制委員会は、一定濃度以下で海に流しても魚や人体に影響は及ばないとして、海洋放出すべきとの見解を示している。

ただ、漁業者などからの反発が強く、合意を取り付けることは容易ではない。

この問題をめぐっては、経済産業省に設置された有識者による検討委員会での議論が続いている。東電が国のお墨付きを必要とするのは「事故の当事者である東電の意見だけでは、だめという人もいる」(川村氏)といった事情も影響している。

これに対し、原子力規制委からは「国の委員会の結論が出ないことで、東電は救われている」(今月10日の会議で更田豊志委員)などの指摘が聞かれる。地元との厳しい交渉を東電が避けてきたことに対する批判だ。

海洋放出について、川村氏は「科学技術的には正しいと思っている」と述べたうえで、国の委員会に対し「(結論を)前に倒すことを我々としてもお願いしたい」と述べた。

<原発、国策会社案を否定せず>

原発の必要性について川村氏は、日本が資源小国であることなどを理由に「必要だという考え方」(6月23日の就任会見)が持論だ。

一方で、原子力発電の体制について、同氏は「国策会社にする案はあり得ると思う」と今回のインタビューで述べた。「民間にやらせるとしても、国の意向が随分と入り込む。そういう意味から国営という考え方もある。まだ、そうした検討はされていないと思う」などと語った。

*インタビューは13日に行いました。

(浜田健太郎 月森修)

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