- 2017年07月09日 11:15
自ら机に向かう子の親が“欠かさない習慣”
1/2難関大学の学生の多くが、「小学生時代に親に勉強しろと言われたことがない」と話す。彼らは親に「早く勉強しなさい!」などとうるさく言われなくても勉強したということだろう。現役小学校教諭の著者が語る、自ら机に向かう子どもの親の習慣とは?
■親の夢「自ら机に向かう子ども」をどう育てるか?
「宿題は終わったの?」
「早く勉強しなさい!」
「いつになったら始めるの!?」
こんな言葉を口にした後、子どもからどんな反応が返ってくるでしょうか。
しぶしぶ始める子、「はーい」と気のない返事をしてだらだら机に向かうだけの子、あるいは、親のいらついている気配を感じてさっと逃げてしまう子……いろいろでしょう。
ただ、どのパターンにせよ、「やらされるのが勉強」という子どもの認識が高まることは間違いありません。その結果は、親としても望むものではないはずです。
もしも、こんな不毛なやりとりをすることなく、自ら机に向かう子どもになってくれたら、親としては願ったりかなったり。「勉強ひと休みして、おやつでもどう?」なんて言いたくなるかもしれません。
親が夢見る「自ら机に向かう子ども」の特徴とは何なのか? わが子がそんな存在になるには親はどんな手だてを打てばいいのか? これからひとつずつ見ていきましょう。
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発売中の雑誌『プレジデントFamily 2017夏号』の大特集は「自分から机に向かう子になる!」。子ども時代に親に勉強しなさいと言われなくても自分で動いた難関校の学生の話や、生活リズムが崩れがち夏休みの時間の使い方について徹底リサーチしている。
親が子どもに望むことの1位は「学習習慣」
【1:なぜ「自ら机に向かう」ことが大切なのか?】
そもそも、親につべこべ言われる前に、子どもが「自ら机に向かう」ことが望ましい理由は何でしょうか。それは、ずばり「学習の習慣を身に付ける」ことが人生を歩む上で極めて重要からです。誰かに命令されて嫌々やる。これは習慣ではありません。現状、学校の勉強に十分についていけるとか、苦手な部分もあるとか、そういうこととは関係なく子ども自身が机に向かう。そうした習慣が子どもの以後の人生に大きな影響を与えます。
ベネッセ教育総合研究所「小中学生の学びに関する実態調査 速報版 2014」(参考 http://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=4340)によれば、小学生の65.3%、中学生の58.1%が「親に言われなくても自分から勉強する」ことが「ある」(「よく」+「ときどき」の合計)と答えています(調査対象者は小学4年生~中学2年生の子どもとその保護者)。
「自律型学習」の子どもは案外、多いように思えます。しかし、同調査が子どもに関する悩みは何かと保護者に聞くと「学習習慣」という項目を挙げたのは、子どもが小学生の場合は1位(46.7%)、子どもは中学生の場合は2位(51.6%)だった。
子どもが自ら机に向かう習慣が完全に定着しているとは言えないようです。
■「四六時中動き回って遊ぶ生き物」が机に向かうのか?
【2:習慣化の鍵は、親】
では、自ら机に向かう子どもたちは、なぜ向かうのでしょうか。「学習の習慣を身に付ける」ことが大事だと思っているから、ではありません。
子どもは自然に自ら机に向かうようになることは、まずありません。なぜなら、子どもは本来「四六時中動き回って遊ぶ生き物」だからです。いわゆる「多動」が普通なのです。机に向かって座っているのは本来「不自然」なのです。
過去の原稿でも繰り返し伝えているように、教育とは「自然を自然のままにしておかないこと」です。「不自然」を求めるのですから、適切な“外力”が必要になります。
一度きちんと習慣化さえしてしまえば、子ども本人もやらないと気持ち悪い状況になります。歯磨きと同じです。子ども自身が明確な目的意識(◯◯だから自分は勉強する)を持ち始めるのは、ずっと後のことでしょう。そこで鍵になるのは、親です。
親はどのように習慣化のきっかけを作ってあげればいいのでしょうか。
親自身が「学習=楽習」を実践すれば子は真似る
【3:遊びの延長としての学び 学習は楽習】
ところで、親であるあなた自身は、勉強に対してどういうイメージがありますか?
勉強を「我慢するもの」「つまらないもの」と考えていませんか。今でも、日々の勉強を楽しむ習慣がありますか。仕事に関することでも趣味でも何でもいいのです。最近、何か興味のある分野について本を読みましたか?
「入試をパスするまでが勉強」という捉え方をしている以上、勉強は「苦行」でしかありません。私は「勉強」よりも「学習」という言葉のほうがいいと思っています。「勉強」は、強いて勉める、つまり、我慢するイメージがあります。
一方、「学ぶ」の語源は「まねぶ」。真似をすることです。小さな子どもたちは、そうしたくて勝手に真似をする、つまり、学ぶのです。
子どもはこの世に産まれてからずっと周りの人物にすべてを学び、そして真似ます。その最も身近なお手本の存在が、親です。
自分自身が全く本を読まないのに、わが子に「本ぐらい読め」と強要する親もいるようですが、これは論外です。子どもは親の背中を見て育つのですから、それで読むようになるはずがありません。
わが子が自ら机に向かう習慣づくりのために、親が真っ先に行うべきは、親の側が自ら机(リビングテーブルなど)に向かう習慣、すなわち学んでいる姿勢を見せることです。学ぶことがたまらなく楽しい状態、学習を「楽習」と捉えることです。親が、その姿勢を背中で示しましょう。
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