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共謀罪と加計学園疑惑に国民は怒っている!(佐藤甲一)

30年近く政治を取材のフィールドにしてきたが、これほど「醜悪」な政治姿勢をさらけ出した政権は記憶にない。

6月18日に閉会した第193回通常国会の最終局面における政府与党の対応は、まさに国民主権という日本の民主主義のあり方を無視した、私たち国民を愚弄するもの以外の何ものでもない。安倍官邸と自民党が行なった「共謀罪」法案の成立と加計学園疑惑を絡めた今国会の会期末処理は、そうした国民の危惧が現実のものであることを、見事にさらけ出した。

森友学園問題が、安倍晋三首相の周囲にいる人物が官僚の忖度によって優遇された、という問題であったとするならば、加計学園をめぐる問題はより日本の民主主義=政治システムの存続にとって重大である。仮に安倍首相が国会答弁するように、首相自らが加計学園優遇の意向を示すことはなかったとし、かつ山本幸三内閣府特命担当大臣の説明を信じるのなら、官僚システムが政治の判断を仰ぐことなく、加計学園選定に向かって「首相の名を語って暴走」したことになる。

さらに山本大臣の説明によれば、出向中の文部官僚がスパイまがいの行為をして、確認不十分の情報を出身官庁にご注進するという、統制不在の状況に内閣府は陥っていたわけだ。本当なら、いずれも公僕たる高級官僚が、国民の利益を顧みることなく行政をほしいままにしていたことになり、もはや日本の行政システムの危機である。

即刻関係者を処分し、さらに安倍首相以下これを放置した責任をとる必要がある。担当大臣が部下の一官僚をスパイ呼ばわりしている神経を疑う。まず山本大臣は監督不行届で辞意を表明するのが相当だろう。だが、そうなってはいない。

むろん、場当たり的と見える彼らの説明をそのまま信じるほど国民は愚かではない。100歩譲って山本大臣と首相最側近の萩生田光一官房副長官の名前を取り違えてメールしたという山本大臣の説明を信じたとしても、それだけ萩生田氏の意向、つまり「安倍首相の影」が内閣府に満ち満ちており、政策の決定と遂行に影響を与えていたということになる。「語るに落ちる」とはこのことだ。加計学園選定に安倍首相の意向が働いていたのではという疑問が指摘する本質的な状況はなんら変わらないのである。

政治主導とは、政治が方向性を示し、その結果責任を政治家が負う、ということである。方向性を示すのはいい。その目的が「友人」に利益をもたらすことであり、その目的達成が容易になるように制度を設計したのではないか、という国民の疑問が沸き起こるやいなや、根拠となる文書を「怪文書」と決めつけ、証言者の人格をおとしめるような会見を行ない、かつ有力なメールが出現すれば、「スパイの勘違い」と言い放ち、責任を物言えぬ官僚に押しつけてつじつま合わせで幕引きを図る、これが佐藤栄作氏、吉田茂氏に続く、戦後第3位の在任日数となった「安倍一強政治」の行き着くところの手法である。

安倍晋三氏が「総理大臣」であるがゆえに持つ権力は「天賦」のものではない。権力は下から付託されるもの、つまりは総理大臣の権限は私たちの権利の総体であることを忘れないことだ。国民は怒っている。終わらなかった政権はないのである。

(さとう こういち・ジャーナリスト。6月23日号)

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