- 2017年07月05日 10:14
日本人が世界で通用できない3つの問題「ロスト・イン・トランスレーションに陥っている」
2/2アフリカの価格交渉で日本式方法論は損をする
ロスト・イン・トランスレーションの問題から起きる弊害は、世界を舞台に仕事をするときに現れます。たとえば、アフリカで交渉をすることになり、現地の人がある製品を「2万円を出せば売ってやる」と言ってくるとします。これに対して日本人は、さすがに「2万円は高すぎるな」と感じて、「もう少し値段を下げてくれ」と頼みます。相手は、「ならば1万8000円でどうだ」と言ってきたので、「よし、それなら買う」と応じて1万8000円を支払いました。
この日本人は、「値切り交渉をして、値を下げてくれたのだから、成功した」と喜んでいます。しかし、グローバルな視点では、この交渉は失敗です。「2万円で売ってやる」と言われたものに対しては、すくなくとも「半額にしろ」と応じるのが定石だからです。相手は「ならば1万2000円でどうだ」と言ってくるので、「もっと安くしろ」と言い返し、結局、1万1000円で決着をするといったことが、とくに新興国のような場所での交渉では日常的です。
この日本人は、世界における交渉の方法論を得る機会はあったかもしれません。「提示額に対しては半額以下で応じろ」と。ところが、「半額以下で応じろ」というグローバルな交渉のしかたを学ぼうとせず、「額が少しでも安くなるように応じる」と都合よく解釈し、行動してしまったのでしょう。日本的な交渉に当てはめて理解しようとし、ロスト・イン・トランスレーションに陥ってしまったのです。
海外で通じない『ビジョナリー・カンパニー』
ロスト・イン・トラスレーションの問題は、日本の社会的問題ともいえます。1990年代、アメリカでビジネスコンサルタントとして活躍したジム・コリンズと、組織論の専門家であるジェリー・I・ポラスが共著書を出しました。原題はBuilt to Lastといいます。Lastはここでは「継続する」の意味であり、原題は「継続するために建てられた会社」といった意味になります。
ところが、この本が日本で出版されたときは、『ビジョナリー・カンパニー』という邦題があたえられました。「ビジョンをもっている会社は継続する」といった意味合いです。本の内容自体は、もちろん原書と翻訳書で大きく変わることはありませんが、書名が大きくちがっています。日本人は『ビジョナリー・カンパニー』という書名だけ覚えているので、海外の人とこの本について話題にしようとするとき、「コリンズとポラスの『ビジョナリー・カンパニー』はお読みですか」と伝えて、海外の人からは「そんな本、出ていたっけ」と、いぶかしがられるといったことがしばしばありました。象徴的なロスト・イン・トランスレーション問題といえます。
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