- 2017年06月30日 09:48
<問われるメディア>マスコミが取り上げない恐るべき前川発言
1/2両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー]
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前川喜平前文部事務次官は記者会見で、加計問題の経緯とは別に、驚くべき発言をしました。これをマスメディアはほとんど取り上げていないようです。
6月23日、2回目の記者会見の中で前川氏はこう切り出しました。
「もうひとつ付け加えると、認識を新たにしたのは国家権力とメディアとの関係です」
そして報道に関する3つの問題を提起しました。
(1)読売新聞5月22日の出会い系バー通い記事に見るメディアと権力との癒着
(2)メディアにおける自己規制あるいは権力への忖度
(3)一部コメンテーターによる偏ったコメント
最重要の(1)は後述するとして、(2)については、
「私に最初にインタビューを行ったのはNHKです。その映像はなぜか放送されないままになっています。最も決定的なものであります9月26日付けの文書、官邸の最高レベルが言っていること、が入っている文書ですね、これは朝日新聞が報じる前の夜にNHKが報じていました。しかし核心の部分は黒塗りされていましたね。これはなぜなんだろう。NHKを責めているわけではないのですが。」
これは(1)につながる、権力とNHKの癒着もしくは忖度を念頭に入れた発言でしょう。
(3)については、
「報道番組を視ておりますと、コメンテーターの中にはですね、いかなる状況証拠や文書が出てきたとしても、官邸の擁護しかしないという方がいらっしゃいます。(中略)森友学園の問題で官邸を擁護するコメントを出し続けた方の中には、ご本人の性犯罪が警察にもみ消されたのではないかという疑惑を受けている方もいらっしゃるわけです。」
前川氏には珍しく床屋政談的な発言ともとれますが、よほどに感じるところがあるのでしょう。ただ疑念の主山口敬之氏はテレビから消え、孤軍奮闘する官邸側情報の伝達者・時事通信・田崎史郎氏のコメントはTBS「ひるおび!」などを視ていると、昨今は失笑されることもあるようです。
最も重要なのは5月22日の読売記事に関する(1)です。会見では自身からの話と、2回の質問に対する回答で、この問題に計3回触れています。重複部分も多いので、筆者の文責で前川氏の発言を可能な限り正確にまとめます。
<以下、前川発言まとめ>
「私に対する個人攻撃だと思われる5月22日の読売新聞に掲載された記事、これは私にとって不愉快な話でしたけれど、その背後に何があったのか、これはメディアの中できっちりと検証されるべき問題だと思います。私は個人的には官邸の関与があったと考えています。
(その理由は)もともとバー出入りを官邸は承知していました。杉田官房副長官からご注意を受けたことがあり、官邸が知っていた情報であるということが理由のひとつです。それから、5月20日、21日に読売新聞の記者から、私の個人的な行為について報道する用意があると、ついては私のコメントが欲しいというアプローチがありました。私はそれに答えませんでした。
一方で21日の日曜日ですけれど、記事が出る前日ですね、より正確に記憶を呼び戻してみますと文部科学省の私の後輩に当たる某幹部からですね、「和泉(総理補佐官)さんが話をしたいと言ったら応じるつもりはありますか」というような言い方だったと思いますが、そういう言い方で打診があったと。私はちょっと考えさせてくれとだけ返事をしてそのままにしておいたんですね。私は報道が出てもかまわないというつもりでおり、それを抑えて欲しいと官邸に頼もうとは思っておりませんでした。
私自身の中では、読売新聞と和泉さんからの話は連動しているんだろうというふうに意識はいたしました。これは私の想像ですね。想像ですけれども、イヤな報道をされたくなければ言うことを聞けば抑えてやると、こういうことを言われるのではなかろうかなと、これは想像ですが、そう思いました。」
<以上、前川発言まとめ>



