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長寿番組を支える「スポンサーのモチベーション」

2017年上半期が終わろうとしている今日この頃。みなさんいかがお過ごしでしょうか?私はというと、6年乗り続けた愛車を先日手放しました。6年というと、小学一年生が小学校を卒業する年数でもあり、この6年の出来事を思い出し、少しセンチメンタルな気分になりました。

ところで、ラジオ業界的には番組が6年続けば、『長寿番組』と呼ばれます。そしてラジオ番組が長寿番組になるか、短命に終わるかは、いろんな要素が絡んできます。というわけで今回は、『長寿ラジオ番組の秘訣』について、書いてみようと思います。

「番組が終わる」一番の理由

まず忘れてはいけないのは、『人気がある番組でも、終わるときはあっさり終わる』という事実です。人気番組であれば、できるだけ長く続いて欲しいと思うのは、局もリスナーも共通の見解ですが、実際には人気番組であればあるほど、短命に終わることが多いような気がします。それは何故なのでしょうか?

『番組が終わる理由』の中で、一番よくある理由は『スポンサー収入が途絶えたから』でしょう。民放の場合、番組の制作費はスポンサーからの収入で賄っていますから、これが無くなってしまったら、番組が続けられないことは明白です。

では、なぜスポンサー収入が途絶えるのでしょうか?まず考えられるのは、『スポンサーに金銭的な余裕がなくなってしまったから』という点が挙げられます。スポンサーがラジオ番組に出すお金は、ほとんどの場合が広告費なので、広告費が削られてしまった場合、費用対効果がないものから削られます。それは資本主義社会の常です。ラジオ番組がその第1候補に挙げられてしまうのは悲しいですが、それが現実です。

そして2つ目の理由。それは、『スポンサーのモチベーションが保てなくなったから』です。現場で仕事をしていると、この理由でスポンサーが撤退してしまう事がかなり多いような気がします。前にこのコラムでも書きましたが、ラジオの媒体としての価値は、昔に比べてかなり落ちています。そんな時代にラジオ番組にお金を出そうと思う企業は、かなり奇特であるということになるのですが、実際にお金をラジオ業界に引っ張ってきてくれているのは、企業というよりも、その企業に勤めている『個人』です。

そして、そんな個人にかなりの確率で共通するのが、『ラジオ好きである』ということです。学生時代にラジオをよく聴いていた、投稿していた。『ラジオが好きだから、自分の力でラジオ番組を作りたい』。ラジオが好きな社会人が、自分の会社の上層部に働きかけ、広告費を捻出させてラジオ番組を提供する。そんな人達に助けられ、現在のラジオ業界が成り立っていると言っても過言ではありません。そう。民放のラジオ番組は、意欲のある個人に支えられているのです。

長寿番組には続く理由がある

では、そんなラジオ好きのスポンサー(個人)が、なぜモチベーションを保てなくなってしまうでしょうか?それは、ラジオに関わって、『ラジオの現実』を知ってしまうからだと私は考えます。ラジオが好きな人なら、一度は考えたことはありませんか?『自分がラジオ番組を作るなら、パーソナリティは〇〇さんで、△△なコーナーがあって…』という夢の番組を…。

でも、実際にラジオ番組に関わってみたら、外からでは分からなかった現実が見えてきます。夢のパーソナリティはスケジュール・予算が合わず出てもらえず、夢の企画はうまくいかず…、会社の上層部にお金を出させて、やっとラジオ番組に関われたのに、自分の思い通りにちっともならない…。

そんな現実に直面しても、スポンサー(の現場担当)は、『ラジオが好きだから』、という思いを胸に、まずは頑張ります。ラジオが好きだから、どんな番組が受けるのかも心得ています。ラジオが好きな人が関わっている番組だから、自然と人気が出ます。でも、どんなに人気番組でも、宣伝している商品が売れなければ、企業の上層部は納得しません。いくら会社に『人気番組ですよ!』と説明しても、お金を生む人気番組でないと意味がありません(企業的には)。

さらにそれに追い打ちをかけるのが、人気番組が故の、現場の『おごり』です。
『スタッフ』『出演者』『局』が、番組の人気にあぐらをかいてしまい、自分のやりたいこと・やりたくないことを主張し始めてしまうのです。スポンサーとしてせっかく用意した、何百万円もかかるロケ企画で、『自分のキャラじゃないからやりたくない』という理由だけでやる気のない態度を出してしまう出演者…。そしてある日、スポンサーの現場担当の心が折れる音が聞こえるのでした。

ラジオ番組が長寿番組になる秘訣。それは、関わる人のモチベーションを保ち続ける事です。もちろん、ラジオ番組は本来は聴いてくれるリスナーのものです。でも、ラジオ番組に関わっている人も、また人間なのです。個人的な感情に左右され、終わってしまった番組を、私はいくつも知っています。

長寿番組には、続く理由が色々あります。あなたのお気に入りの番組が続いているのには、どんな理由があるのでしょうか?そんな裏側に想いを馳せてみるのも、たまには良いかもしれません。

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