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- 2017年06月22日 12:07
アマゾンの作り出すアメリカ未来像
スターバックスの店員がつくるエスプレッソコーヒーのマシーンはボタンを押せば抽出されます。いわゆるオートマシーンと称するものでこれに対抗するのがセミオート型のエスプレッソマシーンだったり、サードウェーブとしてサイフォン等、人の手間を良しとするコーヒーです。
私がかつてカフェを経営していた時はセミオートのマシーンを使っていましたが、何に苦労したかといえば提供するコーヒーの味を一定化させることでした。スタッフによって味が違うのはもちろん、天気や湿度によって豆は微妙に変化します。タンピングという挽いた粉をタンパーの中に入れて軽く圧をかける場合も力加減が人によってみな違います。
スターバックスは世界の隅々で店を展開する以上、何処にあるどんな店でも同じ味を提供できるようにしなくてはいけません。そのためには従業員教育をして一流の技術を磨かせるのか、それともマシーンの自動化を進めた方がよいのか、その選択に悩むことはなかったでしょう。なぜなら従業員が一流になったとしても体調やその日の気分でこれまた味などは変わってしまうからです。
この話は人間の能力の引き出し方をどの部分で強化するのか、その「仕訳」を行っているとも言えます。その結果、うんざりするような顧客の細かい注文(温度やミルクのタイプ、フォームの具合などなど)をしっかり聞き取り、名前をカップに書くという人間らしい仕事をさせてもらうことに注力するようになりました。
スーパーマーケットに行くとずらっと並んだレジ台の横にセルフレジがついていることが増えてきています。自分でバーコードをスキャンして自分で詰めて精算してね、ということです。これはレジの店員を雇うより安いからでしょう。4-6台ぐらいのセルフレジを一人で担当できます。スーパーマーケットとしては出来ればレジ係はゼロに近づけたいと思っているかもしれません。なぜなら人件費をかける割に生み出すものが少ないからです。
北米にいると移民の国であることを実感します。特にカナダの場合は国籍取得者と移民者に意識の差があるようにも感じます。移民の仕事は国籍取得者より劣後する、これが私の見立てた20年後の労働市場の姿です。
トランプ大統領が移民に対する制限を考えています。欧州も溢れる移民に治安問題を含め、頭を痛めています。「自国民の雇用を重視し、賃金を引き上げ、より快適なライフを送れるようにする」というトランプ大統領を応援する選挙民は国籍を持つ者であります。移民は選挙権がありません。どんな国になろうとどんな街になろうと移民はそれを黙って受け入れるしかないのが現状です。
機械にとって代われる仕事を人間がやるのはばかばかしいと考えればアマゾンのジェフ ベゾス氏はトランプ大統領と実のところはウマが合い、発想の根源は同じなのかもしれません。アメリカ企業がもっと儲かるためには格差どころではなく、下を切ってしまうということであります。
ホールフーズの買収がアマゾン流の色に変わるまでに数年もかからないでしょう。策士のベゾス氏が競争激化の有機食品を扱うホールフーズの苦境を放置するはずはありません。それはアマゾンの製品がロボットとITで制御された流通センターで捌かれるように消費者との接点も驚くような発想で変える可能性は大いにあり得ます。
移民国家である故の微妙な温度差が労働政策のみならず、経済の効率化にもジワリと浸透してくれば移民の居場所は何処にいくのでしょうか?私のまわりにいるバンクーバーの日本人移民もちらほら帰国する人はいます。ローカルにどっぷり浸かり、貪欲に仕事を求めないと「やっていけない」からでありましょう。
一般的な移民への門戸はより高い能力を持ち、国家にベネフィットをもたらす人材という大義名分が必要になってきています。かつての広い門戸に甘えてやってきてもそこには期待と違う世界が待ち受けつつあるのでしょうか?
移民である私も考えさせられます。
では今日はこのぐらいで。
私がかつてカフェを経営していた時はセミオートのマシーンを使っていましたが、何に苦労したかといえば提供するコーヒーの味を一定化させることでした。スタッフによって味が違うのはもちろん、天気や湿度によって豆は微妙に変化します。タンピングという挽いた粉をタンパーの中に入れて軽く圧をかける場合も力加減が人によってみな違います。
スターバックスは世界の隅々で店を展開する以上、何処にあるどんな店でも同じ味を提供できるようにしなくてはいけません。そのためには従業員教育をして一流の技術を磨かせるのか、それともマシーンの自動化を進めた方がよいのか、その選択に悩むことはなかったでしょう。なぜなら従業員が一流になったとしても体調やその日の気分でこれまた味などは変わってしまうからです。
この話は人間の能力の引き出し方をどの部分で強化するのか、その「仕訳」を行っているとも言えます。その結果、うんざりするような顧客の細かい注文(温度やミルクのタイプ、フォームの具合などなど)をしっかり聞き取り、名前をカップに書くという人間らしい仕事をさせてもらうことに注力するようになりました。
スーパーマーケットに行くとずらっと並んだレジ台の横にセルフレジがついていることが増えてきています。自分でバーコードをスキャンして自分で詰めて精算してね、ということです。これはレジの店員を雇うより安いからでしょう。4-6台ぐらいのセルフレジを一人で担当できます。スーパーマーケットとしては出来ればレジ係はゼロに近づけたいと思っているかもしれません。なぜなら人件費をかける割に生み出すものが少ないからです。
北米にいると移民の国であることを実感します。特にカナダの場合は国籍取得者と移民者に意識の差があるようにも感じます。移民の仕事は国籍取得者より劣後する、これが私の見立てた20年後の労働市場の姿です。
トランプ大統領が移民に対する制限を考えています。欧州も溢れる移民に治安問題を含め、頭を痛めています。「自国民の雇用を重視し、賃金を引き上げ、より快適なライフを送れるようにする」というトランプ大統領を応援する選挙民は国籍を持つ者であります。移民は選挙権がありません。どんな国になろうとどんな街になろうと移民はそれを黙って受け入れるしかないのが現状です。
機械にとって代われる仕事を人間がやるのはばかばかしいと考えればアマゾンのジェフ ベゾス氏はトランプ大統領と実のところはウマが合い、発想の根源は同じなのかもしれません。アメリカ企業がもっと儲かるためには格差どころではなく、下を切ってしまうということであります。
ホールフーズの買収がアマゾン流の色に変わるまでに数年もかからないでしょう。策士のベゾス氏が競争激化の有機食品を扱うホールフーズの苦境を放置するはずはありません。それはアマゾンの製品がロボットとITで制御された流通センターで捌かれるように消費者との接点も驚くような発想で変える可能性は大いにあり得ます。
移民国家である故の微妙な温度差が労働政策のみならず、経済の効率化にもジワリと浸透してくれば移民の居場所は何処にいくのでしょうか?私のまわりにいるバンクーバーの日本人移民もちらほら帰国する人はいます。ローカルにどっぷり浸かり、貪欲に仕事を求めないと「やっていけない」からでありましょう。
一般的な移民への門戸はより高い能力を持ち、国家にベネフィットをもたらす人材という大義名分が必要になってきています。かつての広い門戸に甘えてやってきてもそこには期待と違う世界が待ち受けつつあるのでしょうか?
移民である私も考えさせられます。
では今日はこのぐらいで。