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奈良の鹿の糞の行方

奈良の鹿愛護会(奈良公園のシカの保護に取り組んでいる一般財団法人)で、こんなものを見かけた。

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しかっぴ」。試供品とあるが、本来は販売するものらしい。

ようするにシカの糞による堆肥。

考えてみれば、奈良公園には、約1300頭のシカが生息している。彼らが毎日こぼす糞は莫大な量になる。しかも場所を問わず。では、それを誰が片づけているのか?

これ、昔からよく上げられる奈良公園の謎の一つだが、実はほとんどが自然界の仕組みに助けられている。

その多くはコガネムシの仲間だ。公園内の芝生にされたシカの糞は、彼らの好物なので、さっさと地中に運んでしまう。おかげで地上はきれいになるのだ。いわば「糞ころがし」の日本版である。

地中に処理された糞は土壌を肥えさせることにもなり、芝草がよく育つ元になる。その芝草をシカは餌として食べる……という循環なわけだ。

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シカの糞のアップ(笑)。糞の横に土の盛り上がりがあるが、その中にコガネムシが穴を掘っているはず。

ちなみに奈良ではシカの糞のお菓子(正確には「御神鹿の糞」という名称)も売っている。たしかチョコレート味の豆菓子だった。当たり前だが、お菓子は本物のシカの糞でつくっているわけではない。

このようにコガネムシ様様ではあるが、問題は愛護会に付設されている鹿苑。ここには、怪我をしたり妊娠したり、凶暴だったり、近くの農家を荒らしたシカが強制収容されている。その数は300頭近くと馬鹿にならない頭数なのだが、これは檻の中なのだから、糞の処理を人がしないと片づかない。そこで片づけた糞の有効利用として肥料づくりに取り組んでいるのだろう。

「しかっぴ」はシカの糞の再利用商品なのである。シカ糞以外には、食べ残した干し草や米ぬか、大麦などが混ぜられている。

成分表によると、窒素0,71%、リン酸0,96%、カリ1,30%などとバランスよく含まれる。私もさっそくベランダのプランタに撒いた。さて、効果はいかほどのものか。

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