記事

都民ファースト・平愛梨弟候補に黒塗り“怪文書”発覚



〈上申書 下村博文事務所御中〉──そう表題と宛先がワープロ打ちされた文書には「平成28年8月10日」の日付と、下村博文・自民党幹事長代行の元公設秘書・平慶翔氏の直筆と思われるサインがある。女優・平愛梨氏の実弟で、都民ファーストの会の「目玉候補」として東京都議選(板橋選挙区)に出馬する人物だ。

 安倍晋三首相が5月中旬に「細田派四天王」として挙げた下村氏は、次の改造人事で重要閣僚への起用が有力視されている。

 そんな下村氏にとって、自民党都連会長として挑む都議選は、再入閣のためにも結果を残したいところなのだが、お膝元の板橋区で「現在ダントツ」(自民党都連関係者)を走る平氏は厄介な存在に変わった。

 今回本誌・週刊ポストが入手したのは、下村氏が過去に“元愛弟子”との間で交わしたとみられる文書だ。これを元に取材を進めると、“第2の加計文書”になりそうな雲行きだ。

 上申書は平氏が事務所退職にあたり、「職務上知り得た事実を第三者に漏洩しない」などと誓約する内容だが、その中に黒塗りにされた気になる箇所がある。

〈私は、■■■■■■■■詐取したことを認め謝罪いたします〉と5項目にわたってほぼ同じ文面が並び、その次に〈(5項目)以外に窃盗、詐欺、横領などに当たる行為をしたことがないことを誓約します〉と書かれているのだ。

 本誌は前号で、「平氏が下村氏の秘書時代に事務所費約30万円を私的に使い、弁護士立ち会いの下、事務所に詫び状を提出した」という下村後援会幹部の証言を報じた。平氏は「事実無根。文書があるなら見たい」と猛反論していた。

 この上申書はその実物のコピーとされ、下村後援会の役員会合で実物を見たという複数の幹部も「私が見たのと同じ」と語る。この2人に関しては、最近になってもう一つの“因縁”が報じられた。

「文藝春秋」(7月号)に『加計が食い込んだ下村元文科相夫妻』(森功著)のタイトルで、下村夫人が広島加計学園の教育審議委員を務め、加計学園側が下村氏の支援組織「博友会」のパーティ券240万円分を購入しているというレポートが掲載された。記事は下村氏の元秘書の証言などで構成され、そこで平氏も「夫人は年に五回以上は岡山や広島に新幹線で行っていましたね」と証言しているのだ。

 興味深い内容だが、文書が本物ならば、平氏は「職務上知り得た事実を第三者に漏らさない」という誓約を破ったことにもなる。

 平氏が出馬する都議選の情勢は一時は自民党が盛り返すかに見えたが、ここにきて大苦戦に陥っている。自民党関係者が語る。

「党の独自調査では都民ファーストが第一党確保の勢い。わが党の候補は軒並み当落線上で苦戦している。地元を回ると家計学園問題に非常に批判が強く、一気に逆風が吹き出した」

 そうした状況で出た平氏の上申書は、下村氏サイドにとって形勢逆転の“切り札”になるのか。

平氏に問うと、弁護士を通じて「(金銭トラブルも上申書を作成した事実もないとの)認識は変わりありません」との回答が送られてきた。さらにこう続く。

「上申書なるものは平氏が関与して作成されたものではなく、本人はこのような文書自体を初めて見ました。日付、住所、氏名の手書き部分は本人が記入したものではありません。この上申書は何者かによって偽造されたものであり、平氏としては、文書偽造罪で刑事告訴することを検討します」

 捏造された“怪文書”との主張である。下村事務所は文書作成の事実は認めるが、「公表する考えはない」と回答するのみだった。

※週刊ポスト2017年6月30日号

あわせて読みたい

「都民ファーストの会」の記事一覧へ

トピックス

議論新型コロナウイルスに向き合う

ランキング

  1. 1

    アイリスオーヤマ製TVの凄さとは

    WEDGE Infinity

  2. 2

    ナイキCMを100%褒め称える危うさ

    倉本圭造

  3. 3

    堀江氏「桜疑惑は些末な問題」

    ABEMA TIMES

  4. 4

    凋落の新聞社 報道の行く末とは

    ヒロ

  5. 5

    10代死亡はミス? 厚労省の大誤報

    青山まさゆき

  6. 6

    コロナ報道の正確性に医師が疑問

    名月論

  7. 7

    細野氏「国会機能が明確に低下」

    細野豪志

  8. 8

    堀江氏「医療崩壊の原因は差別」

    ABEMA TIMES

  9. 9

    引退後も悪夢 アスリートの苦悩

    山本ぽてと

  10. 10

    菅首相の会見「無に等しい内容」

    大串博志

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。