- 2017年06月19日 18:52
規制改革は、「行政を歪める」のではなく、「歪んだ行政を正すもの」-安倍首相が会見
2/3その鍵は、成長戦略の実行、構造改革の断行にかかっています。本国会では、全農改革や酪農改革など8本に及ぶ農政改革関連法のすべてが成立いたしました。農業を魅力ある成長分野に変え、農家の所得アップを実現する。若者が夢や未来を託すことができる農政新時代を切り開いてまいります。
岩盤のように固い規制や制度に風穴をあける国家戦略特区法の改正案を成立いたしました。この制度を活用して、長年認められてこなかった一般企業による農地取得や学校教育に民間の知恵を手に入れる公設民営学校も解禁いたしました。
千葉県の成田市では、国際的な医療人材の育成を目指し、38年ぶりの医学部新設が実現しました。国会終盤では、国家戦略特区に置ける獣医学部新設について、「行政が歪められたかどうか」をめぐり大きな議論となりました。
獣医学部はこの50年以上、新設がまったく認められてきませんでした。しかし、いま鳥インフルエンザ、口蹄疫など動物から動物、さらに動物から人に移るかもしれない伝染病が大きな問題となっています。
専門家の育成、公務員獣医師の確保は喫緊の課題であります。そうした時代のニーズに応える、規制改革は、「行政を歪める」のではなく、「歪んだ行政を正すもの」です。岩盤規制改革を全体として、スピード感をもって進めることはまさに総理大臣としての私の意思であります。
当然、その決定プロセスは適正でなければいけません。ですから、国家戦略特区は民間メンバーが入り、諮問会議や専門家を交えたワーキンググループにおいて、議論を進め、決定されていきます。議事はすべて公開しています。
むしろそうした透明で、公平公正なプロセスこそが内向きの議論を排除し、既得権でがんじがらめになった岩盤規制を打ち破る大きな力となる。これが国家戦略特区であります。
半世紀ぶりの獣医学部新設についても、審議に携わった民間議員の皆さんは、「プロセスに一点の曇りもない」と断言されています。まさに岩盤規制改革の突破口です。しかし、この特区制度について、この国会では民進党の皆さんから制度自体を停止する法案が提出されました。
改革を後退させようとする発想であり、誠に残念でなりません。岩盤規制の改革には抵抗勢力が必ず存在します。しかし、私は絶対に屈しません。既得権と手を結ぶことも決してありません。今後とも総理大臣である私が先頭に立ち、ドリルの刃となって、あらゆる岩盤規制を打ち破っていく。その決意であります。
この国会では長年、実現してこなかった返還不要、給付型の奨学金制度を新しく創設する法律も成立しました。児童養護施設や里親のもとで育った子供達など経済的に特に厳しい学生を対象に既に運用を開始しています。
子共たちこそわが国の未来であります。この通常国会はまさに、「未来を拓く国会」となりました。 どんなに貧しい家庭に育っても、希望すれば、高校にも専修学校、大学にも進学できる。子供達の誰もが夢に向かって頑張ることができる日本でなければなりません。
そして、若者もお年よりも、女性も男性も、障がいや難病のある方も、一度失敗を経験した人も誰もが生きがいを感じ、その能力を思う存分発揮することができる一億総活躍の日本を作り上げていかなければなりません。
その本丸は、あらゆる人にチャンスを作ることであります。家庭の経済事情に関わらず、高等教育をすべての子供達に、真に拓かれたものにしていく。リカレント教育を抜本的に拡充し、生涯にわたって、学びなおしと新しいチャレンジの機会を確保する。これらに応えるため、当然、大学のあり方も変わらなければなりません。
人づくりこそ、次なる時代を切り開く原動力であります。これまでの画一的な発想にとらわれない 「人づくり革命」を断行し、日本を誰にでもチャンスが溢れる国へと変えていく。そのエンジンとなる有識者会議をこの夏立ち上げます。いわば、「みんなにチャンス構想会議」であります。そのための体制を来月に整えます。
憲法施行70年の節目である本年、次なる70年、その先の未来をしっかりと見据えながら、「人づくり革命」の実現に向けて、総合的かつ大胆な戦略を構想したいと考えています。
2週間後にはドイツでG20サミットが開催されます。米国、EUの他、中国、ロシア、韓国など主要国の首脳が集まるこの機会を活用して、積極的な首脳外交を展開したいと考えています。
挑発をエスカレートさせる北朝鮮問題について、日米韓のガッチリとしたスクラムを確認したい。そして来るべき日中韓サミットの開催に向けて、準備を本格化してまいります。
課題山積ではありますが、内政に外交にさらに気を引き締めて、全力投球してまいりますので、国民の皆様方のご理解とご支援をお願い申し上げます。



