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カタール問題の余波(ジブチ・エリトリアの緊張)

カタール問題の余波はアフリカの角(東アフリカの突端で、インド洋に面し、エチオピア、ジブチ、ソマリア、エリトリアなどの国があるが、残念ながら国境紛争やテロ、海賊、飢饉等の難問が絶えない)にも波及している模様です。

具体的には、問題はエリトリアとジブチの間の問題ですが、カタール問題として多くのアラブ諸国がサウディに右ならえして、カタールとの関係を断絶し、ジブチも追随しましたが、このためジブチとエリトリアの間に駐留していたカタール軍(平和維持軍)が撤退し、それを利用してエリトリア軍が両国間の山岳地帯を占拠したとのことです。

もっとも、ジブチはカタールとは断交まではせずに、外交使節のレベルの引き下げにとどめた模様ですが,これに対して14日カタール軍が撤退し、そのあとにエリトリア軍が16日かに侵入してきたよし。

どうも中東でさえわが国ではなじみが薄く、アフリカの角ともなるとなおさらですが、ジブチといえば、ソマリアの海賊対策に関する国際協力の基地で、わが海上自衛隊も護衛艦(確か)2隻とネプチューン哨戒機を現地に派遣しているといえば、思い出される方もおられると思います。

このジブチは長いこと仏の植民地でしたが、住民がエチオピア系とソマリア系に分かれ、内部的にも対立があったようですが、1977年には独立し、その後は比較的安定したアフリカの角の戦略的要地にある国として知られてきました。
ところが、この国はお隣のエリトリアとも国境等をめぐり関係が悪く、何度か軍事衝突も生じています。

このエリトリアというのは、紅海に面するエチオピアの隣国で、旧イタリア植民地でしたが、戦後は長いことエチオピアにその一部として支配され、長いこと独立運動(戦争)が続いてきました。
実はアフリカ諸国の大部分は、欧州諸国の植民地でしたが植民地支配者が自分たちの都合で勝手に国境線を引いたために、60年代以降続々と独立したアフリカ諸国は多くの分離運動や、矛盾した国境線を抱えてきました。

ところが、これらの国境線の訂正をいったん認めたが最後、アフリカ中が収拾のつかない混乱に陥るとして、国境線の変更は一切認めないという「ウシ・ポセデティスの原則」が、アフリカ統一機構等で、長いこと適用され、新しい独立も国境線の変更も認められませんでした。

ところが、エチオピアがエリトリアの独立を認めるとの立場に変更したために、エリトリアは1993年独立を宣言し、上記の原則の変更の第1号として、アフリカ諸国からも認められることになりました。
しかるに、この独立エリトリアは旧宗主国のエチオピアとは関係が悪く、90年代には何度か国境紛争があり、国連のPKOも派遣されたことがありました。

また、エリトリアはジブチとも関係が悪く、1990年代に2回ほど国境紛争があり、その後停戦が続いたが、2008年に再び紛争が発生し、2010年にはカタールの調停で和平が成立し、国境地帯にはカタール部隊がPKOとして駐留していたというわけです。

それが今回カタール問題をきっかけにカタール軍が撤退したすきに、エリトリア軍が侵入したということですが、これまでのところ衝突等は生じていない模様です。
日本では関心のない問題でしょうが、とりあえず

http://www.alquds.co.uk/?p=738555

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