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クビ切りの陰で「倒産村」が高笑い――JALが元管財人らに不透明報酬

 経営再建中の日本航空(JAL、稲盛和夫会長)が、会社更生終了後も、元管財人らに不透明な報酬を支払っていたことがわかった。


 報酬支払いに使われたのは、三月二九日に設置された「経営審査室」。管財人室の代わりという位置づけだ。経営審査室の名簿には、企業再生支援機構の執行役員やディレクター、片山英二管財人(弁護士)の事務所の弁護士ら、管財人団とその関係者がずらりと並ぶ。


 三月二八日に会社更生が終わったのに、管財人団とその仲間たちに報酬を払い続けるのはなぜか。


 組合が団体交渉(団交)で質したところ、会社側で出席していた支援機構のディレクター(弁護士)は、「更生手続に携わった管財人代理の弁護士が顧問弁護士として残ることはよくある」と弁明しつつ、「経営審査室に起用されているのがどういう意味か、(私は)理解していない」と、同室が“実態不明”であることを事実上認めた。


 団交で追及した組合役員は、「会社更生が早く終わったので、管財人団側から不満が出て、『その後もカネを払うしくみ』を作ったんでしょう。団交後、会社は経営審査室を廃止しました」と明かす。


 取材に対しJALは「出勤していない人に報酬を支払った事実はない。本当に必要な方だけ、顧問弁護士としてお願いした。その後、必要なくなったので同室は廃止した」(広報部)としたが、「本当に必要な弁護士」の数が、そんなに急に変わるのだろうか。


 片山英二元管財人は、整理解雇をめぐる裁判で、「社員の高給やハイヤー送迎に国民からの厳しい批判があったので、JALの会社更生は困難だった」と言い立てたが、パイロットのハイヤー送迎はとっくに廃止され、公共交通機関で通勤している。


 不正確な「風評」を煽ってクビ切り(整理解雇)を正当化する手口は、国鉄民営化の再現のようだ。


 現場で働く人たちの激痛をよそに、片山氏は管財人報酬として毎月四六〇万円、退職金代わりに三三三〇万円をJALから受け取ったが、自らが「高給」だという認識は微塵も見られない。


 事情通の弁護士は、「倒産弁護士はいくつも事件を掛け持ちし、『倒産村』の仲間内で仕事を回す。“焦土”を見回すと、彼らだけが焼け太りしている」と話している。


(北健一・ジャーナリスト、9月30日号)


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