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「原子力安全委員会」に権限持たせた除染法成立――児玉龍彦教授が56条改正を要求

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「旧来の組織ではなく、地域主体の組織」の創設を訴える児玉教授。(撮影/筆者)


 七月二七日の衆議院厚生労働委員会で、政府の放射能汚染対策の不十分さを指摘した東京大学の児玉龍彦教授(東京大学アイソトープ総合センター長)が九月三日、福島県南相馬市で「放射線の測定と除染 こどもと妊婦を守るには」と題し講演。児玉教授は放射能汚染問題の第一人者で、五月からはほぼ毎週末、南相馬市で放射能汚染の測定と除染作業を続けてきた。


 その児玉教授が三日の講演で、民自公三党が成立させた除染法(通称)に対して怒りを露わにした。


「除染法が国民にほとんど知られないまま、八月末に衆議院と参議院を通過(成立)してしまいました。除染活動について菅首相には『これまでの原子力関係の方は一歩引いていただいて、清新でベストでブライテストな人で委員会を国会の責任で作る。そして国会にすべて報告するような透明性の高い仕組みを作ってください』と申し上げました。ところが、除染法の採決直前に『原子力安全委員会が諮問する』という五六条が国会審議抜きで突然、加えられた。野田新首相には是非、五六条を直ちに変えることをお願いしたい」


 五六条の問題点は、「SPEEDI」問題などで大変な失敗をした原子力安全委員会が権限を持ってしまうことだ。そもそも除染法は、除染する対象を「年間被曝線量二〇ミリシーベルトを超える地域」としているなど、問題点が少なくない。児玉教授は言う。


「原子力安全委員会には四名の原子炉の専門家と一名の健康被害の専門家がいるだけで、今最も求められている測定と除染の専門家が全くいません。こうした問題についてベストな専門家を集め、母親代表のような方も加わる新しい地域主体の組織を作る必要があるのです。日本企業には技術があります。原子力機構のような旧来の組織が出てくるのではなく、地域が民間のトップの技術を引き出せるよう政府は全力を尽くして欲しい」


 原子力ムラの守旧派を排除できるか。野田首相の力量が問われる。


(横田一・フリージャーナリスト、9月9日号)


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