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マクロン大勝 しかし過半が棄権

宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)

【まとめ】

・仏総選挙、マクロン新党躍進も棄権が5割超。

・英国総選挙は保守党過半数割り、メイ首相は続投へ。

・ISのテロ、湾岸諸国へ向かうか。

6月11日の仏総選挙の結果が出揃った。マクロン新大統領が率いる新党がこれほど勝つと一体誰が予想しただろうか。既存政党では社会党が後退、共和党が伸び悩み、ポピュリスト政党大敗した。世界はこれを如何に分析すべきなのか。今週の焦点もやはり欧州ポピュリズムの行方である。

第1回投票でマクロンの新党がこれだけ勝つとは正直思わなかった。得票率は、共和国前進・民主運動が32.2%、共和党・民主独立連合他右派が21.5%、ルペンの国民戦線が14%、服従しないフランスが11%、社会党が10.2%、その他3.3%、共産党と緑の党がそれぞれ3%。有権者には選択肢が少なかったということか。

もう一つ、特記すべきは棄権の高さだ。棄権投票率は5割を超える。有権者はマクロン派勝利は不可避で投票は無駄と考えたのか、それとも、様々な選挙にもう飽き飽きしたのか、判らない。しかし、これだけ大勝すれば、逆にマクロンを見る目は厳しくなるだろう。ふと、東京都議会選挙のことを考えてしまう。

欧州・ロシア

総選挙といえば、6月8日、英国ではメイ首相率いる保守党が過半数を割り、北アイルランド保守政党との連立を模索。メイ首相は政権を続けるつもりのようだが、本当にこれで済むのだろうか。保守党内でメイ降しが起きなければ不思議であり、仮に彼女が続投するなら保守党に未来はないかもしれない。詳細は今週の週刊新潮を!

東アジア・大洋州

10日から自民幹事長が訪韓する。このような形で対話を行うことは結構だが、今の韓国とは劇的な関係改善は難しいだろう。もう一、二世代かかっても不思議ではない。徐々にしか進展しそうにないし、急ぐ方がババを引くことにもなりかねない。日韓双方とも忍耐が必要らしい。困ったことだが、仕方ないか。

中東・アフリカ

先週最もびっくりしたのはテヘランでイスラム国の大規模テロが起きたことだろう。尤も、イスラム国がイランを狙う理由は山ほどある。これまで侵入を許さなかったのが不思議なのかもしれない。イスラム国側は、イランの次に狙うのはサウジとしているが、サウジよりも、湾岸GCC諸国の小国の方が危ないかもしれない。大変心配だ。

南北アメリカ

6日のコウミー元FBI長官による公聴会証言に大爆弾はなかったが、また外堀が一つ埋まったというイメージだ。トランプ氏は相変わらず強気だが、一体いつまでこんな泥仕合を続けるつもりだろう。前回書いたように、共和党の議員が中間選挙でトランプと共に戦うか、トランプ抜きで戦うかの判断が焦点となる。戦いは今後も続く。

〇インド亜大陸

特記事項なし。

今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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