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FRBの正常化のゴールは政策金利の3%としているが、それは可能なのか

FRBのイエレン議長は今年1月18日の講演で、米雇用の回復とインフレ基調の継続を受け、「2019年末まで、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を年2、3回のペースで引き上げる」との見通しをFRB内でおおむね共有していると述べていた。政策金利が長期の中立金利見通しである3%に近づくとの見方も示した。

今年3回の利上げと、2018年と2019年も0.25%刻みでそれぞれ3回ずつ引き上げるとすれば2019年末までには3%に届く計算となる。ちなみに6月13、14日でのFOMCで政策金利は0.75~1.00%から1.00~1.25%に引き上げられる見込みとなっている。

FRBの物価目標はPCEの物価指数(PCEデフレーター)の総合指数の2%としているが、今年4月のPCEのデフレーターは前年同月比1.7%の上昇となっており、FRBの目標には届いていない。それでもFRBの年内3回程度とする利上げに意向は変えていない。

米国の経済指標は、6月2日に発表された米雇用統計の非農業雇用者数が予想を下回ったが、失業率は4.3%に低下するなど、ややまだら模様となってはいる、しかし総じてしっかりしており、それが米国株式市場にも反映されて、ここにきてS&P500やダウ平均、ナスダックは過去最高値を更新していた。

ハト派の代表格であるはずのブレイナード理事も5月25日に世界経済について「ここ数年で最も明るい」との認識を示し、「欧州経済の成長が堅調なうえ、日本は安定し、新興国も良好になりつつある」と説明した。そのうえで「FRBの経済見通しに対する下振れリスクは軽減された」と述べていた。

トランプ政権の誕生や欧州での選挙などがリスク要因となり、米利上げペースを遅らせる懸念はあったが、いまのところはそのリスクは顕在化していない。欧州ではオランダの総選挙、フランスの大統領選挙でもポピュリズムの台頭は抑えられた。今後、ドイツ、イタリアでの選挙も予定されているが、ユーロというシステムは維持されていくものとみられる。中東や北朝鮮などの地政学的リスクも残るが、こちらも金融市場を混乱させるほどの影響を与えうる可能性はいまのところ小さい。

もちろんこれまで百年に一度とされた金融危機が立て続けに起きるなどしており、油断は禁物ではある。しかし、むしろその歴史的なリスクの後退が、FRBの正常化を可能にさせているともいえる。それでも本当に政策金利を3%にまで引き上げられるのかといえば、低位安定している米長期金利の動きをみても容易ではないようにみえる。個人的にはせいぜい2%あたりが限度かなと思うのであるが。

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