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計画と共謀の違いを述べよ、という問いにどう答えられるのだろうか

私が、今国会で審議中の法案は、テロ等準備罪法案だなどと言っても、実際には共謀罪関連法案には間違いないですよ、と指摘していることに対して、相変わらずトンデモナイ勘違いだ、法案を読んでいないのだろう、などと苦言なり抗議をしてこられる実に真面目な読者の方がおられる。

構成要件が以前の共謀罪とは異なっているのだから、政府が言うとおりに現在国会で審議中の法案はテロ等準備罪と言うべきだなどと、頑なに信じ込んでおられるようだ。

11年前に私どもが策定して国会に提出した自公修正案や衆議院の法務委員会の議事録の末尾に参照掲載してもらった自公修正試案では、既に組織的犯罪集団という表現をしており、準備行為がなければ逮捕も起訴も処罰もされないことなども明記してあったのだから、共謀という用語を計画と呼び変えただけの今回の法案は実質的にかつての共謀罪法案と同じなんだ、ということを説明しても、思い込んだら命懸けで、共謀罪という用語を使うのが甚だケシカラン、ということになってしまうらしい。

共謀と計画の違いを述べよ。

その方には、そう、問い質したいところである。

何が共謀であるか、については、一応の説明はなされるものの、結局は判例の集積に待たなければならないところがあるのと同様に、何が計画に当たるか、についても、結局は捜査当局の判断と裁判例の集積に待たざるを得ないところがある、ということを知っておいていただきたいものである。

共謀は2人以上の複数の人の間に成立する合意を言い、計画は3人以上の複数の人の間に成立する合意を言う、という明確なメルクマールがある、などということは、私は承知していない。
まあ、計画罪についての法案審議に参加していないから、私自身確たる答えを持ち合わせているわけではないが、私の感覚では、共謀も計画も実際には同じようなものになるのだろうと思っている。

組織犯罪集団と表現すれば、組織犯罪集団の構成員に一人一人明確な役割が与えられている犯罪集団と観念すべきだ、などと主張される方もおられるようだが、法文の解釈上必ずそうなる、という保証はない。

法の解釈には結構流動的なところがあり、趣旨解釈、目的解釈等を活用して拡大解釈や縮小解釈をする人も出てくるのが法解釈の現場の実情だということを勘案すれば、いつでも、誰でも同じ解釈をするなどとはとても言い切れない。
内閣法制局の憲法解釈すら変遷しているのだから、一行政担当者の解釈が唯一、絶対、至高のものだ、などと思い込まれない方がいい。

私が、現在国会で審議中の法案を相変らず共謀罪関連法案と呼ぶのは、今回の法改正はあくまで国際的組織犯罪防止条約を締結するための国内法の整備の一環としてなされるものであり、テロ対策のための法整備ではない、ということを承知しているからに過ぎない。

念のため。

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