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原発推進と五輪招致は同路線か――首都圏4知事は「原発推進」

『産経新聞』が主催し、東京都と神奈川・埼玉・千葉の三県が後援する「心をつなごう日本」シンポジウムが七月五日、東京都内で開かれ、約八〇〇人が集まった。内容は、原発推進政策の維持と東京五輪招致を訴えたもの。


 黒岩祐治神奈川県知事が「原発を今すぐとめると日本の産業は成り立たない」「二一世紀は太陽光の時代。ソーラーパネルの普及を」と訴えた。が、『正論』八月臨時増刊号「脱原発で大丈夫?」を手に持つ聴衆が多いだけあって、拍手はまばら。


 パネリストながら野次を飛ばしつつ聞いていた石原慎太郎東京都知事が「原発なくすと言っているドイツやイタリアも、フランスから電力を買うんだ。フランスの原発は軍が管理しており、管理体制がいいから事故を起こしていない。せっかく人間が開発してきた原発だ。管理体制をしっかりすれば、フランスのできたことが日本でできないわけない」とまくし立てると、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。続いて森田健作千葉県知事が「わが日本国は資源がない。代替エネルギーなしに『原発ダメ』と外すのは危険だ」と続けると、やはり拍手がわき起こった。


 聴衆の大部分が原発賛成という空気に、黒岩氏は「原発を管理するのは反対ではない。ドイツでできたことが、日本でできないことはない」とトーンダウンした後、司会の島田彩夏・フジテレビアナウンサーによる東京オリンピック賛否の問いに対し、「復興に向けた五輪は賛成」と明言した。


 これを受け、六月一七日の都議会所信表明で二〇二〇年の東京五輪招致の意向を表明している石原知事は、「五輪はやるんですよ」と声を張り上げ、これに上田清司埼玉県知事も「3・11を契機に再生したという証を世界に見せる」と応じた。


 司会が「皆さん、四知事全員が五輪に賛成ですよ」と締めくくり、大震災を政治目的に利用したようなイベントが幕を下ろした。


(永野厚男・教育ライター、7月15日号)


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