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官邸の無理難題に異を唱えられないなら、霞が関の信頼は地に落ちる

加計学園の獣医学部新設に関して、前川前文部科学事務次官の証言があり、菅官房長官は記者会見で、「前川さんは次官の時に、地位に恋々としがみついていた人だった」と発言されました。また、前川さんのプライベートな行動について、出所不明ながら、タイミングよく一部のメディアにリークがなされました。政権を守るためには何でもあり、という現在の事態を大変憂慮しています。

官僚の人事権について、最終的に内閣人事局が所掌をする、つまり、官邸主導で各省庁の部長、審議官以上の人事を行うことには賛成です。官僚が、自分たちで局長クラスの人事まで含めて行っているというのは異常であり、官邸が主導して人事が行われていることは、間違っていません。

ただ、その大前提は、官邸が筋の通った合理的な権力行使をするということです。間違ってもその権力を笠に着る、無理難題を官僚に強いる、そういうことは絶対にあってはならないということが前提になります。

今回の加計学園の件は、国家戦略特区を指定したときに、すでに加計学園しか対象ではないということがわかっていて、「出来レース」であった可能性は極めて高かったわけです。

それに対して、前川前事務次官が、総理がどこまで関与しているかということについては慎重に言葉を選びながら、ただ、大臣が否定した文書は本物であるということを述べられているのです。それに対する、現在の官邸の対応は常軌を逸していると思います。

前川さんの行動について、文部科学省の中にも、迷惑だとか、何を考えているかわからないという意見があるということを、いくつかの新聞が報じています。もちろん、そういう意見もあるかもしれませんが、でも多くの官僚たちは、前川さんにしっかり頑張ってもらいたいと思っているはずです。

結局は、国民に対して、各省庁がどう責任を果たしていくかという話であって、官邸が無理難題を押し付けたときに、それが明らかにおかしいことであっても、それに異を唱えることがないということが、これから当たり前のことになれば、国民の霞が関に対する信頼は地に落ちる。そのことに対する危機感をしっかり持つべきだと思います。これは文部科学省だけではなくて、財務省にも等しく言えることだと思います。

そして、そういう行動がとれるのは、それは省をまとめる立場の人たちです。まさしくリーダーはこういうとき、しっかり行動するために存在するのだということを、各省庁の事務方のリーダー的立場の人は、自覚して行動してもらいたいと思います。

そうでないと、霞が関は終わってしまうと思います。

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