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DV被害者に「妻の務めを果たさないから・・」という判事

主として女性が被害者になることが多い性暴力や夫婦間暴力事案では、被害者の味方のはずの捜査機関や中立たるべき司法機関が、意図的かどうかは別として、被害者を更に傷つけてしまうことがしばしばある。セカンドレイプとか、二次被害とか呼ばれるが。

日本でも、今、詩織さんという女性がレイプ被害を訴えたところ、逆に様々なバッシングを受けるという目に遭っており、そもそも警察での被害申告に当ってレイプ場面を再現させられたりと、被害者の司法アクセスを阻害するひどい現実が語られている。

女性の地位が高いと日本では思われているフランス社会でも、司法はなかなかにDV被害者やレイプ被害者に冷たく当たることが多く見られ、マスコミを中心とする非難が巻き起こる。

最近のニュースにも、そんな一例が報じられていた。

Un juge de Nanterre culpabilise une femme victime de violences conjugales
ナンテール裁判所の判事がDV被害女性を非難する

記事によると、被害女性は弁護士を通じて夫をDVで告発した。
夫は、10年間も身体的および心理的な暴力を妻に加えてきており、ついに耐えきれなくなって司法に救済を求め、証拠として夫の妻に対する言動を録音した。
それには「ガソリンをかけてやるぞ」とか、「棺桶に入ってチュニジアに戻ることになるぞ」とか、「お前の肌にナイフでHと刻んでやる」などと行った言葉が記録されていた。

この告発に基づき訴追を受けたナンテールの裁判官は、夫に釈明を求め、夫は妻が1年間セックスに応じなかったからだと主張した。

これを聞いた裁判官が、被害女性に向かって、「マダム、あなたが妻としての務めを果たさないのなら、(こうした言動も)理解できますね」といった。
弁護人はもちろん、検察官までもが、裁判官に対して「妻の務め」なんてこの場合に存在しないと指摘したにも関わらず、裁判官は上記発言を撤回しなかったというのである。

弁護士人はカンカンで、裁判所所長に苦情の手紙を出したが、裁判官は独立であり、如何ともしがたい。



フランスでは、DV対策が日本より進んでいるように思われていて、実際規定上は保護命令が多様かつ徹底的だし、警察も積極的であり、上記のような事件も、日本ならそもそも立件されるかという疑問すらあるところが裁判になっている。
が、それでもこういう裁判官が存在し、被害者が「被害を受けたのはお前が悪い」と言わんばかりの対応にぶち当たることが残っている。

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