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失業者の退職手当

「失業者の退職手当」という概念がある。

失業者の失業手当だろ、という人がいるかもしれないが、失業者の退職手当なのだ。

国家公務員のうち、退職時に退職手当が支給されない、あるいは極めて低額の退職手当しか受給しなかった者が、その後一定期間失業状態にあるような場合に、雇用保険の失業等給付額を上限として公共職業安定所から支払われるのが「失業者の退職手当」だ。

退職時に退職手当が支給されないのは、懲戒免職の場合、および禁固刑以上で失職した場合。

それに加えて勤続期間が短いことにより、退職手当の額が雇用保険の失業手当の給付額より小さい者が対象になる。

つまり、民間の失業手当相当額より退職手当が少ない場合に、失業手当との差額分が支給される。

しかし、国家公務員は雇用保険に入っていない。

そこで、毎年、一般会計の支出に失業者退職手当として国費が計上される。

平成29年度分が4億8989万円。

ちなみに平成27年度には当初予算に5億1665億円が計上され、決算額は2億2824万円。国土交通省の159人を筆頭に、679人が受給している。

本来、雇用保険の保険料は労使折半のはずだ。

しかし、公務員は失業しないという建前なので、雇用保険には入っていない。

しかし、退職手当が失業手当を下回ると失業手当相当分をもらえるが、これは失業手当ではなく「失業者の退職手当」なのだというのが、霞が関文学だ。

本来、平成29年度は労使合わせて失業給付分の保険料は1000分の6で、それを労使が折半する。

公務員は、限られた場合とはいえ、雇用保険料を負担せずに失業手当を受給していることになる。

さらに言えば、人事院は官民の給与に格差が出ないように公務員の給与について勧告するが、そこには倒産のリスクが含まれていない。

どんな優れた民間企業にも倒産のリスクはあるが、国家にはない。

ならば、それを計算に入れた官民のレベル調整をする必要があるのではないか。

もっと言えば、かつては霞が関で肩たたきがおこなわれた後は、省庁が天下り先をあっせんしていたので、退職しても後の心配はいらなかった。

しかし、省庁の組織的なあっせんは禁止されたので、肩たたきで退職した公務員は、かつてのように必ず天下り先が用意されているわけではなくなった。

それならば、失業手当は要らないのだろうか。

霞が関と民間との格差を無くしながら、官僚がやる気を持って、安心して実力を発揮できる人事の仕組みを作る必要がある。

個別の問題に対処するのではなく、全体的なプランを考えていく必要がある。

もちろんその中には、国会対応の問題がドンとあるのは間違いない。

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