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誰でも犯人にされる可能性はある

痴漢冤罪保険:加入急増「逃げるより、まず弁護士を」(毎日新聞)

 電車などで痴漢の疑いをかけられた人に迅速に弁護士を派遣し、相談費用も補償する保険サービスの契約件数が急増している。痴漢容疑者が線路に逃げてトラブルが拡大する事例が相次ぐ中、「逃げるよりも、まず弁護士を呼んだ方がいい」との認識が広がっていることが背景にあるとみられる。

 このサービスは、ジャパン少額短期保険(東京都千代田区)が2015年9月に始めた「痴漢冤罪(えんざい)ヘルプコール」。交通事故などの際、弁護士への相談費用を補償する年6400円の保険に特典として付く。この特典目当ての加入が大半だという。

 契約者が痴漢の疑いをかけられた際、スマートフォンなどを通じて通報すると、提携する全国各地の弁護士に一斉に緊急メールが届く。通報者の位置情報も発信されるため、近くの弁護士が駆けつけたり電話で相談に乗ったりする。事件発生後48時間以内の弁護士費用が全額補償される。

 この保険の契約件数は4月まで数十件ペースで推移していた。しかし都内で痴漢容疑者が線路に逃走する事件が相次いで報じられ、5月に入って契約件数が数百件と10倍以上に急増したという。

 契約者の8割は男性だが、痴漢被害に遭った際にも利用可能のため、女性の契約者も2割いる。冤罪以外の場合、補償されない。

 さて報道されている「痴漢冤罪ヘルプコール」とやらは本来は弁護士費用等保険金であって痴漢冤罪云々は「特典」の一つに過ぎないようですが、「痴漢の嫌疑をかけられた被疑者が線路を走って逃げた」みたいな報道が相次いだこともあって、俄に注目を集めてもいるみたいです。

なんでも「冤罪以外の場合、補償されない」とのこと、無罪と被疑者自身が証明できなければ犯人として扱われがちだからこそ冤罪の問題が取りざたされるわけですけれど、どうやって「冤罪」であることを保険会社に納得させれば良いのでしょうね。

 とりあえず「無関係な第三者」にしてみれば、「逃げるよりも、まず弁護士を呼んだ方がいい」わけです。テレビ番組で本物の弁護士が「痴漢を疑われたら、逃げるしかない」と明言していた過去もありましたが、実際はどうなのでしょう。

痴漢に限らず、容疑者を犯人として扱うのが我々の社会の通例です。市民も警察も司法も推定無罪の原則を受け入れていない以上、「被疑者にとっては」逃走こそが賢明なのかも知れません。第三者に(電車遅延などの)迷惑をかける結果に繋がる可能性があるとしても、甘んじて犯人扱いを受け入れねばならない謂われはないですから。

「ごめんなさい」と言ってほしい、無罪ミュージシャン(毎日放送)

 窃盗の罪に問われて300日以上身柄を拘束された後、無罪となったミュージシャンの男性。「捜査機関に謝ってほしい」と、国家賠償を求める裁判の二審が始まりました。

 大阪のミュージシャン、SUN―DYUさん(26)。5年前、泉大津市のコンビニエンスストアで1万円を盗んだ罪に問われ300日以上身柄を拘束されました。店のドアからSUN―DYUさんの指紋がみつかり、捜査側は犯人が逃げる際に付けたと見立てました。

しかし、SUN―DYUさんの母親が防犯カメラの映像を調べたところ、事件の5日前にこのドアに触れていたことなどがわかり、無罪判決が確定しました。

 世の中には痴漢限定でしか冤罪の可能性を考慮できない人も多いですが(逆に痴漢に限っては冤罪の問題を無視する人も多かったり)、痴漢「以外」でも普通に冤罪は発生しています。

もちろん本当に罪を犯した人を適正に逮捕しているケースの方が多いのでしょうけれど、一方で罪のない人を犯人扱いして人権を剥奪しているケースもまたあるのです。世間で話題になりやすい事例や新法ではなくとも、運用する人次第で無実の罪は発生しうる、ということは常に認識されるべきと言えます。

 痴漢に関しては、警察なりの「いきなり犯人扱いすることはない」という大本営発表を鵜呑みにする人もいれば疑う人もいる、そしてテロ等準備罪に関しても、政府閣僚の「一般の方々にテロ等準備罪の嫌疑が生じることはない」云々との答弁に頷く人もいれば全く信用しない人もいるわけです。

まぁ、この辺の「信じる/信じない」の基準がどこにあるのかは興味深くもあります。あらゆるケースで冤罪の危険性を考慮する人は意外に少なくて、ある問題では「取り締まる側」を全面的に信頼しながら、別の問題では冤罪の可能性を強く訴える、そういう人が多いですから。

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