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アメリカのパリ協定離脱

 去る6月1日、日本時間では2日未明、アメリカのトランプ大統領は、地球温暖化防止の取り決めである「パリ協定」からの離脱を表明した。同協定はアメリカ経済にとって不利であるとして、大統領選挙の時から示唆していたが、とうとう現実のものとなり、世界各国は一様に落胆した。

 パリ協定とは、1995年からはじまった国連主導の国際会議である「気候変動枠組み条約・締約国会議(COP)」の、第21回目の会議が2年前パリで開催され、その時に合意されたマルチの協定である。因みに第1回目(COP1)のリオデジャネイロでは「リオ宣言」、第3回目(COP3)の京都では「京都議定書」が採択され、それぞれエポックメーキングな役割を果たしてきた。

 パリ協定では各国が、温暖化の原因であるCO2排出量の削減目標をそれぞれ宣言した他、産業革命からの平均気温上昇を2℃以内に抑えること、2050年にはCO2排出量をゼロにすることを宣言した。温暖化は海面上昇による低地の水没や、大雨や旱魃の被害、台風やサイクロンの巨大化を招くことが明らかとなっている。したがって、全ての国が力を合わせなければ解決できない。

 アメリカのCO2年間排出量は、中国に次いで第2位の16%に当たる。その国が離脱する直接の影響は大きいが、オバマ政権が同協定を主導してきたことを考えると、その影響は計り知れない。協定の有効性は揺るがないものの、言い出しっぺのアメリカが離脱となると、各国の取り組みも一気に弱まることが懸念される。

 トランプ大統領の決意を翻意させることは無理かもしれないが、日本、EU、そして排出量最大の中国が手を組んで、強力な包囲網を作り上げることは、決して無駄ではないはずだ。

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