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英国テロ、何故?

英国で再び起きたテロ事件。今回はロンドン中心部で人が集まるところで暴走車と刃物による殺傷の組み合わせであります。前回はコンサート会場でありました。関係ない一般市民を巻き添えにするという発想は自爆テロと全く同じで思想的背景の示威行動と同時にその影響力の行使を考えているものと思います。

ではなぜ、英国が急に狙われたのでしょうか?私なりに考えてみたのですが、総選挙を8日に控えた中での行動であろうと考えています。今回の総選挙のそもそも論は英国のEUからの離脱交渉に関して現在の与党である保守党が国内での綱引きをより強固で確実なものにした上でEUとの交渉を有利に展開するための「強化策」でありました。例えていうなら小泉元総理の郵政解散に近い意味合いがあったのだろうと思います。

当然ながらその背景には絶対的自信があったが故のサプライズ総選挙であります。

ところが私が見る限り、これがテロの引き金を引いた気がします。保守党は移民への厳しい姿勢を明白にしようとしています。つまり、今後、離脱交渉が進む過程に於いてイスラムの移民にとって今より肩身の狭い思いをする可能性は否定できません。これがテロリストを搔き立てているように見えます。

選挙の対立軸である労働党は「ブレグジットによって欧州からの自由な人の流れが終わると認めているが、『移民をスケープゴート』にはしないと約束している」(BBC)としており、少なくとも既存の移民の人が何らかの犠牲を払うリスクは低そうに見えます。ちなみに保守党は移民について「純移動、つまり英国の入国者数から出国者数を引いた数を、年間『数万人』程度にまでを縮めたいと考えている(現在は年間24万8000人の純増)」(BBC)としており、移民層にとっては労働党のポリシーの方が受け入れやすいように見えます。

もしも3度続いた英国のテロが保守党への嫌がらせだとすれば英国が今後抱えるであろうテロのリスクは収まらないかもしれません。

選挙の行方でありますが、労働党が猛烈に追い上げていることは事実です。最新の世論調査の中ではサーベーション社の調査が保守党40ポイント、労働党39ポイントとほとんど並んだとする調査を始め、IPSOSでも5ポイントまで縮んでおり、当日逆転は大いにあり得る水準になっています。

メイ首相はテロが選挙に影響するか、という質問に肯定していますが、それは強い自負を持ってテロを撃退する姿勢に国民が同意するだろうという自信なのでしょう。ヘラルド紙を読む限り政府は一体となってこれに立ち向かう姿勢を強調しています。但し、私には国民のマインドがそれほど強くないように見えるのです。労働党が急速に支持層を集め始めたのは3月下旬でこれは一度目のロンドンのテロ事件のタイミングにほぼ一致します。これ以上無関係な犠牲者を増やしたくないという純粋な気持ちの変化が労働党の急追の一因となっているかもしれません。

個人的には労働党の勝利の可能性は否定しません。明らかに流れがそこに存在します。そしてロンドン橋で起きた今回の事件では更に死者が増える可能性があります。それが英国の民にどのような影響を与えるのか、あと数日でその結果を見ることになりますが、再度の驚きの結果となれば世の中の混沌と申し上げるしかないでしょう。

当然ながら気勢の上がるトランプ大統領への影響も小さくないということになりそうです。

コトの推移は思った以上に重大な局面を迎えつつあるように思えます。

では今日はこのぐらいで。

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