- 2017年06月02日 11:53
共謀罪でテロは防げないのは当たり前 本当の目的は違うから 世論調査で反対が急増
共謀罪法案が参議院での審議入りとなりました。安倍氏は、テロ防止のために必要だと声高に主張しています。
「「共謀罪」実質審議入り首相「テロ防止で重要」」(北海道新聞2017年5月30日)
「安倍晋三首相も出席し、「資金源を断つことはテロを防止していく上で極めて重要だ」と述べ、「共謀罪」法案の必要性を改めて強調した。」
とにかく「テロ」と言っていればいいんだというレベルで、もはやそこには理の政治はありません。ところで想定されている「テロ」とは何でしょう。オウム真理教が引き起こしたサリン事件でしょうか。それとも先般、英国のマンチェスターのコンサート会場で起きた爆弾テロでしょうか。
いずれにしても単独犯での「テロ」には共謀罪は対象にならないそうです。共謀罪をごり押しする安倍氏は、「テロ」というばかりでその中身について語りません。共謀罪が制定されるとどうしてテロが防げるのか、という点についてどのようなテロを想定してなのかということも含めて、一切、語らないのです。
「テロと戦う」とかとにかく「テロ」とさえ言っておけばいいという具合です。ところで、オウム真理教によるサリン事件については、既に当時のオウム事件に関わった人たちからあの事件は捜査の怠慢だったと指摘されているように共謀罪の有無の問題ではありません。では、日本で英国で起きたようなテロが起きるということなのでしょうか。
だから東京オリンピック(2020年)を無事に開催するためなどと言っているようなのですが、全くもって具体性のない話です。共謀罪があればどうして防げるのかという問いに一切、答えないでは話になりません。テロは完全には防げない、などとも言っています。
窃盗罪だって同じだ、窃盗罪があるからといって窃盗を防ぐことはできない、ならば窃盗罪はいらないということかという屁理屈をいう人たちもいますが、全く違います。窃盗罪は事前に盗みを働けば窃盗罪として処罰されるよという威嚇と、実際に窃盗が行われた場合に処罰するための刑罰法規です。
窃盗罪に限らず、これまでの日本の刑法は、犯罪行為に着手して初めて処罰するという体系です。窃盗罪をなくしてしまったら窃盗罪で処罰できません。これに対し、共謀罪は、犯罪行為に着手する前の「共謀」段階で処罰するというものです。
「共謀」段階で、「テログループ」を一網打尽にしてしまえばテロは防げるのだ、というのが共謀罪の構図なのですが、それが実際にどうやって実現できるのというのが大きな疑問であり、問題点です。テロが起きた後から「共謀」があったなどといってみてもテロは防げない、だからテロが起きる前に「共謀」の有無があるかどうかを捜査機関が耐えず、監視し捜査することになる、それは権力による監視だということです。
テロ防止が目的じゃないよね、というのもこの点にあります。英国で起きたテロを想定した場合、誰をどのように監視するのですか。アラブ系の人たちを監視するのですか。そうでないテロリストもいますが、そうなるとどうやって、市民とそうでないテロリストを区別するのですか。そのような区別方法などありはしません。区別できやしないのです。
だから米国トランプ大統領による指定6カ国からの入国禁止などという乱暴なことになるのですが(これだってテロは防げません)、結局、総監視ということにならざるを得ません。しかも捜査機関の恣意的な監視という濫用を防ぐ手段はない、ここに共謀罪のもっとも大きな問題があります。
北海道内の世論調査ですが、反対が格段に増加しました。
「「共謀罪」反対59%4月から14ポイント増全道世論調査」(北海道新聞2017年6月1日)
「北海道新聞社が5月26~28日に全道世論調査を実施したところ、改正案に反対が59%に上り、賛成の34%を大きく上回った。政府の説明が十分だと思わないとの回答は85%に達し、改正案の取り扱いについて「今国会にこだわらず慎重に議論すべきだ」も72%に上った。」
このような共謀罪法案をごり押しすることは許されません。廃案あるのみです。



