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「プレミアムフライデー」よりも「バリューサースデー」

■どこ吹く風の「プレミアムフライデー」

 今年の2月から「プレミアムフライデー(プレ金)」なるものが実施され、この間、既に4回もの「プレミアムフライデー」が過ぎ去ったことになるが、労働組合の無い一般企業では、“どこ吹く風”という感じで、会社内でも「プレミアムフライデー」のことが話題にすらならない。このような浮世離れした制度を創っても、毎度のことながら、一部の大企業だけしか実施できないわけで、これで個人消費が喚起されて景気が良くなるなどというのは絵空事でしかないような気がする。

 個人消費を喚起することが目的であるのならば、「プレミアムフライデー」のようなほとんど効果の見込めない制度よりも、確実に効果が出るもっと良い方策がある。それは、「土曜日の休日を木曜日に変える」という制度、言わば「バリューサースデー」(価値ある木曜日)だ。

 なぜ、土曜日の休日を木曜日に変えることが個人消費を上向かせることに繋がるのか? その理屈をシンプルに説明してみようと思う。

■重要なのは「次の日が休みであること」

 まず、「プレミアムフライデー」というのは、午後3時(15時)に仕事を切り上げることで、仕事帰りに買い物や食事や遊興を行う人が増えるという考えが基にある。なるほど、確かに自分自身が午後3時に仕事を切り上げれるなら、ショッピングや映画でも観に行こうかという気にはなるかもしれない。

 しかし、食事(飲み)に出かけるとまでは、あまり考えない。普段から、食事(飲み)に行く時というのは、早く帰れる日ではなく、次の日が休みの日であることが重要な条件だ。「プレ金」でなくても「花金(花の金曜日)」なら、食事(飲み)に出かけるという人は大勢いる。
 次の日が休日だからこそ、夜遅くまで食事(飲み)ができるという気持ちの緩みが生まれるわけであり、いくら早く終業時間を迎えたとしても、次の日が出勤日なら、なかなか食事(飲み)に出かけようとはならない。

 日本では(世界でも)、週休2日制というのは、基本的に土曜日と日曜日の2連休になっている場合がほとんどだが、2連休だからといっても、食事(飲み)に出かけるのは金曜日の晩だけという人がほとんどだろうと思う。「花金」が「花金」である理由は、次の日が休みだということが大きい。次の日が休みという高揚感と安堵感こそが、自然と個人消費を喚起させるのである。

 次の日が休日であれば、仕事帰りに食事(飲み)に行く人が多くなる。そうであるならば、仕事帰りに食事(飲み)に行ける日を増やせばいい。そのためには、土日の連休は止めて、休日を分割すればいいのである。
 例えば、木曜日と日曜日が指定休日であれば、水曜日の午後「花の水曜日」と土曜日の午後「花の土曜日」に食事(飲み)に行く人が増える。その場合、わざわざ15時に終業する必要もなく、少し仕事帰りが遅くなったとしても食事(飲み)に行く人は増えるはずだ。“次の日が休み”という気持ちの緩みは、財布の紐の緩みにも通じている。

■実現可能で価値のある「休み方改革」を。

 これなら、現在の労働時間を変えることなく可能となるし、一部の大企業でしか実施できないというようなこともない。“働かない”“働けない”“働きたくない”というような、無い無い尽くしの「働き方改悪」ではなく、本当の意味での「働き方改革」が可能となる。
 労働時間を変更するのではなく、休日を変更するだけで個人消費は必ず上向く。これぞ価値のある「休み方改革」(休日革命)だ。

 個人消費云々以前に、実際に社会人として働いている者としては、月曜から金曜まで連続して働いて土日にまとめて休むよりも、月・火・水と働いて、木曜日に休み、金・土と働いて日曜日に休んだ方が肉体的にも精神的にも楽だと思う。どうしても連休が欲しいというなら、有給休暇を取得すればいいし、悪名高い「ハッピーマンデー制度」も2連休制度として活かせる。

 私個人の場合、土曜日も年間に半分程度は出勤日であるので、半分は他人事でしかないが、それでも2連休よりも、木曜日辺りに中休みが有った方が有り難い。
 働き過ぎで過労やストレスを感じる時というのは、連続勤務にも大いに原因があると思われるので、土曜日の代わりに木曜日を休日にすることで、3日間以上の連続勤務が無くなり、過労で倒れるような人も減少するのではないかと思う。

 そもそも、なぜ土曜日が休日になったのかというと、諸説あるらしいが、日本の場合は明治時代に公官庁で「土曜半休」が定められたことによるらしい。所謂「半ドン」のことだが、半ドンにすることで、1日半の連続休暇となり、それが進歩して1980年頃に2日間の土日連休制度(完全週休2日制度)が誕生した。

 土日連休制度は世界的な標準でもあるので、簡単には変えられないかもしれないが、政府が率先して推奨すれば、試しに導入する企業も出てくるのではないかと思う。先にも指摘した通り、労働時間や仕事量は変える必要が無いので、「プレミアムフライデー」よりもはるかに現実的であり、効果のある消費刺激策として試してみる価値(バリュー)はあると思う。

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